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インタビュー

〈ノラ・ジョーンズ以降〉を感じさせる注目の女性シンガー・ソングライターたちをご紹介! その1

 プリシラ・アーンや別掲のメロディ・ガルドー(インタビューはこちら)を筆頭に、ジャズのリスナーからも、ポップスのリスナーからもそれぞれ作品が親しまれるような、オーセンティックな音楽性を持った女性シンガー・ソングライターがシーンの大通りを闊歩している。その先駆けと言えるのはご存知、ノラ・ジョーンズだろう。〈ジャズを歌うためにジャズ・シンガーにならなきゃいけないなんて、誰が決めたの?〉とでも主張しているかのような彼女のスタンスに、多くのアーティストが勇気と知恵を得たと言っても、あながち間違いじゃないはず。このたびリリースされたライヴDVD「Live From Austin TX」は、ジャズのみならず、USルーツ・ミュージックの広いフィールドをピョンピョン跳ねながら、軽やかに横断してきた彼女の活動の歴史が浮かんでくる一枚だ。

 そんなノラ以降の系譜に連なる、柔軟な発想で自由度の高い歌を紡ぐ女性シンガーたちが、近年幅広いリスナーにも分け隔てなく受け入れられるようになってきた。それこそブルー・ノートからプリシラのようなタイプのシンガーがデビューすること自体が、そういった流れを象徴しているのではないだろうか。そんなわけで、ここでは私たちに新鮮な空気を運んでくれる注目のシンガー・ソングライターを、彼女たちのマナーに則ってジャンルレスに紹介してみよう。
(桑原シロー)

CLARE & THE REASONS 『The Movie』 Frogstand(2007)
いにしえのハリウッド映画の世界をユーモアを交えながら蘇らせようと試みた、ジェフ・マルダーの愛娘による最新作。ヴァン・ダイク・パークスのオールドタイミーなピアノをバックに、ジャズ歌手風のポーズを気取る姿が超キュート。全編ジャズ作品を熱望!
(桑原)

ADELE 『19』 XL(2008)
スモーキーな歌声で深い闇を描き出す、UK発の才能豊かな乙女。スウィンギーな曲などを聴くと、まるでジャズ・ヴォーカルの名盤に触れている気にさせられたりもして。物憂げな横顔はジャズ寄りのフォーク・シンガー、カレン・ダールトンと似ている。
(桑原)


KATIE HERZIG 『Apple Tree』 Marion-Lorrine(2008)
舌ったらずの甘~い歌唱とハンドベルや手拍子、口笛などで味付けを施したサウンドでドリーミーなポップソングを紡ぐ、ナッシュヴィル出身のキュートな魔法使い。このリンゴに毒は入っていないので、安心して召し上がれ!
(山西)

ROOM ELEVEN 『Mmm...Gumbo?』 Emarcy(2008)
前作以上にジャズ度をアップさせた5人組の2作目。しかしながらここで注目したいのは、作曲も担当する紅一点・ヤナのクリアでメランコリックな歌声だ。どんなに演奏が激しくスウィングしようとも、その一声ですべてがチャーミングなポップ・ナンバーに仕上がってしまう。
(山西)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年09月04日 21:00

更新: 2008年09月08日 15:56

ソース: 『bounce』 302号(2008/8/25)

文/桑原 シロー、山西 絵美

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