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インタビュー

舎弟や仲間、元構成員も含めたマフィア世界の登場人物たち その1

【DJ PAUL & JUICY J】
15年以上に渡ってスリー6マフィア(以下T6M)を継続する不動のタッグで、プロデューサーとしても活躍。80年代末から地元のメンフィスでバラバラに活動していた2人が出会い、91年にロード・インファマスを交えてトリプル・シックス・マフィアを結成したのがそもそものスタートだ。

ブレイク前には各々がミックステープなどを量産してきたものの、一般流通された正式なソロ作は2002年に相次いで登場したポールの『Underground Vol. 16 For Da Summa』(D Evil Music)とジューシーの『Chronicles Of The Juice Man』(North North)のみ。TV出演などのせいで外部プロデュース仕事が減ったのは残念だが、いまも記憶に新しいUGKの“Int'l Player's Anthem”など要所でヒットを飛ばしてくる重要な存在である。

【PROJECT PAT】
血走った目がヤバいマフィア軍団きっての怪人ラッパー。ジューシーJの実兄であり、当初から準メンバー的な扱いでT6M作品にも数多く客演している。99年の初ソロ作『Ghetty Green』でラウドからいきなりメジャー・デビューを果たし、昨年末の最新作『Walkin' Bank Roll』(Hypnotize Mindz/Koch)まで、リリース自体は非常にコンスタントだ。時々オツトメに出てしまうのはアレだが、独特の〈間〉で放たれる天然ドープな語り口はもはやT6Mにとって欠かせないものだろう。

【LIL WYTE】
同郷のT6Mに憧れて、シェルビー・フォレスト・クリークなるグループで活動していた白人ラッパー。2002年に軍団入りし、翌年にソロ・デビュー。エミネムにも通じるギスギスした高音ヴォイスが特徴で、昨年の3作目『The One And Only』(Hypnotize Mindz/Asylum)も高い支持を得た。軍団に属しながら自主レーベルのワイト・ミュージックでの地下活動も開始したばかりだ。

【FRAYSER BOY】
ワイトと同時期に軍団入りし、同じく2003年にソロ・デビューしているシブ声ラッパー。T6Mの新作に先駆けて3作目『Da Key』(Hypnotize Mindz)を発表し、こちらも自主レーベルのバー・ミュージックでの地下活動を開始したばかりだ。なお、T6Mがオスカーを獲った“It's Hard Out Here For A Pimp”の共作者でもある。

【CHROME】
2004年頃に軍団に加わり、2005年のフレイジャー・ボーイ作品~T6M作品に抜擢されて、その年のうちにデビュー作『Straight To The Pros』(Hypnotize Mindz)まで辿り着いたアンダーグラウンドの若き鉄砲玉。最近音沙汰はないが、ジューシーJいわく「まだいっしょにいるぜ」とのことなので……オツトメ中なのか?

【LORD INFAMOUS】
DJポールの実兄にしてT6Mのオリジナル・メンバー。初期T6Mのサタニックなイメージ作りに貢献し、ラップ面でも弟たちを先導した。94年には『Lord Of Terror』でいち早くソロ・デビュー。2005年にT6Mを突如脱退するも、公式な脱退発表はいまだにナシ。昨年には沈黙を破って『The Man, The Myth, The Legacy』(Black Rain)を自主リリースし、流石の存在感を見せつけている。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年09月18日 00:00

更新: 2008年09月18日 17:35

ソース: 『bounce』 302号(2008/8/25)

文/出嶌 孝次