GIOVANCA(2)
もっと冒険しないと
――ジョヴァンカさんがプロとして歌うようになったのは、いつ頃なんですか?
ジョヴァンカ「この日からプロとして始めた……っていうんじゃなくて、気がついたらいろんな人の後ろで歌うことによってお金を貰えるようになっていて、あ、これってプロなんだなと気付いた感じね」
――いろんなバッキング・ヴォーカルをやっていた頃から、いつかはソロでやりたかった?
G「いいえ。というか、とりあえずはけっこう忙しくしていたし、バッキング・ヴォーカルの仕事にも満足していたから、あえてソロへのステップを踏み出すことは考えてなかったの。余裕もなかったし、当時はこの人といっしょにやりたいと思える作家やプロデューサーも見当たらなかったしね」
――そこにベニーが現われたと。
ベニー・シングス「そう。スーパーマンのようにね(笑)」
――何年前のこと?
G「初めて会ったのは、2002年のバンド・オーディションみたいなイヴェントで。そこで私があるバンドのバックで歌っているのを彼が見ていて……っていうのが始まりよね。でもそのときにはちゃんと挨拶もしてなくて、その2年後にしっかり話をして、それから彼のバンドにジョインしたの」
――ベニーさん、最初に彼女の歌を聴いたときの印象は?
BS「バックで歌っているのに、彼女だけキラキラ輝いていて、スター性があることは伝わってきたね。それと歌っているのを聴いてて、世界に通じる広い視野を持っていることがわかった。特別な感じがしたね」
G「照れるわ~(笑)。でもさっき言ったように、その頃の私はソロでやっていくつもりがなくて。やっとその気になったのは、2005年の飛行機の中だったわね」
BS「そのとき、彼女はけっこういろんなプロデューサーから誘われてたんだよ」
――そのなかでベニーさんを選んだ理由は?
BS「彼のアルバムのリリース記念ライヴを観て、感銘を受けたの。この人とならおもしろいことがやれるって思ったのよ」
――ベニーさんは、彼女のソロ作に対して、最初どんなヴィジョンを持っていたんです?
BS「最初っから〈こうだ!〉っていうヴィジョンがあったわけではなく、ふたりでいろんな音楽を聴きながら話し合って、試行錯誤してたんだ。ただ、いわゆるニュー・ソウル的なアプローチだけで行くのは違うだろうとわかっていた。彼女の声から考えて、そっちの方向に行くのはわかりやすいし簡単でもあるんだけど、それじゃおもしろみがない。個性が際立たないからね。もっと冒険しないと」
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