インタビュー

ジョヴァンカの音世界に通じる、軽快で爽やかでヴィンテージでタイムレスなアルバムを紹介!

LITTLE JACKIE
『The Stoop』
 S-Curve(2008)
エイミー・ワインハウスへのNYからの回答?なのかどうか、90年代にヒットを飛ばしたイマーニ・コッポラのユニットです。もともと人懐っこいヘンテコ・ポップをやっていた彼女ですが、そのヒネリを和らげたらモータウン・ポップに辿り着いたような印象。

SOLANGE KNOWLES
『Sol-Angel And The Hadley St. Dreams』
 Music World/Geffen(2008)
ファレルを筆頭とするアーバン界の大物たちが意気込んでソウル・ルネッサンス・モードに没入した快作。ケレン味を抑えて明るく歌うソランジュの爽快な振る舞いは、言うまでもなくジョヴァンカにも通じる作法です。

ROOM ELEVEN
『Mmm...Gumbo?』
 Emarcy(2008)
古き良き音楽、というかジャズもソウルもボサノヴァも内包して、何かと何かに細分化する以前の〈ポップス感〉を湛えた一枚。明朗なムードで包まれた音世界がジョヴァンカに繋がることは、ベニーの楽曲がここにあることからもよくわかります。

EBONY ALLEYNE
『Never Look Back』
 Expansion(2007)
初めて『Subway Silence』を聴いた時にフッと連想したのがこのUK女子の処女作。バート・バカラックからモータウンにまで至る60年代のUSポップ風味を純粋に好み、世間のモードとは別ルートで披露しているのが伝わる佳作。ぜひ一聴を。

ALICE SMITH
『For Lovers, Dreamers & Me』
 BBE/Epic(2007)
別掲のリトル・ジャッキーにかなり近い人脈から登場した、NY女性のファースト・アルバム。ジョヴァンカとエイミー・ワインハウスの間で逡巡するかのような、振り幅の広い音楽性を有し、適度に黒い歌唱もキャッチーに響きます。

DIONNE WARWICK
『The Sensitive Sound Of Dionne Warwick』
 Scepter(1965)
バカラック&デヴィッドの上質な仕立てに袖を通したディオンヌの身のこなしは、言わずもがなジョヴァンカの軽やかさに受け継がれていますね。サウンド的な部分では、ソフト・ロック界隈での人気も高い本作あたり、どう?

TUOMO
『My Thing』
 Jupiter(2007)
なぜか1枚だけ男性モノですが、ベニーにも通じる清々しい歌心を響かせるのがヘルシンキ出身の彼。晴れやかなメロディー/アレンジのヨーロピアンなセンスは渋谷系っぽいヤング・ソウル感に溢れていて、ジョヴァンカとも相性が良さそうです。

ピチカート・ファイヴ
『PIZZICATO FIVE TYO』
 コロムビア 
ハッピー・サッドな音志向もA&M譲りのセンスも、小西康陽とベニーは共通しまくり? 技巧を押し出すのではないジョヴァンカの振る舞いと野宮麻貴のハキハキした歌いっぷりの共通具合は、90年代初頭の名曲を集めたこのベストでご確認を。

DIANA ROSS
『Everything Is Everything』
 Motown/Hip-O(1970)
本文にもあるようにジョヴァンカのソングバード的な歌の佇まいはミニー・リパートンに通じますが、楽曲全体の華やぎが通じるのはソロ初期のダイアナかも。ポピュラー志向も見せる瀟洒な今作では黒白無用の親しみやすさがまさに!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年10月23日 21:00

ソース: 『bounce』 303号(2008/9/25)

文/出嶌 孝次

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