The Pussycat Dolls
わが戦力は圧倒的じゃないか──史上最強のハイパー・ポップ・ドールたちは次なるゲームへと挑む。超特大のサクセス後に、彼女たちがめざすさらなる高みとは? 行くわよ! そうよ! ワーオ、ドミネーショ~ン!!
度を超えた成功
「プッシーキャット・ドールズの成功は度を超えてたわ。私たちはあまりにも忙しすぎて、成功を実感することすらできなかったの。レコーディングやツアー、それからプロモーションに忙しくて、現実に起こっていることの外側にいるようだった。なにが起こっているのか、まったく見えていなかったわ。友人にラジオで聴いたとかTVで観たとか言われても、私たちはラジオを聴く時間もテレビを観る暇もなかったのよ。わかっていたのはPCDという台風の目の位置に私たちがいて、必死で活動していたってことだけ。でも、振り返ってみるととても素晴らしい体験だったわ」(ニコール)。
世界15ヵ国のチャートでNo.1に輝いた“Don't Cha”以下、計6曲ものシングル・ヒットを生み出したファースト・アルバム『PCD』のトータル・セールスは、USだけで200万枚以上、ワールドワイドでは実に800万枚以上。同作がグウェン・ステファニー『Love.Angel.Music.Baby.』やブラック・アイド・ピーズ『Monkey Business』などと共に、それ以降のUSメインストリーム・ポップのムードを決定付けたことを考えても、彼女たちには堂々とこのタイトルを掲げる資格があるだろう。PCD待望のセカンド・アルバムは、〈ドールの支配〉を意味する『Doll Domination』と名付けられた。
「『Doll Domination』には文字どおりの意味が込められてる。私たちはPCDとして次のレヴェルに上がって、世界を制覇したいのよ」(アシュリー)。
「私たちは、幸運にも前作で本当に多くの成功を手にすることができたわ。世界中の人たちがあのアルバムを好きになってくれて、800万枚ものセールスを達成できた。だからもう一度、いい音楽を作りたかったの。これまでのファンが大好きになってくれるものにしたかったし、みんなが予想しない新しい音楽で新しいファンも獲得できるようなアルバムを作りたかった。聴いていていい気分になれる曲、同時に共感を覚えてもらえるような曲を作ろうと心掛けたわ」(ニコール)。
前作『PCD』ではデビュー以前に行っていたキャバレー・ショウのレパートリーが全体の3分の1を占めていたが、今回は日本を含むインターナショナル盤のボーナス・トラック“Perhaps, Perhaps, Perhaps”を除く全編がオリジナル曲。現行メインストリームの旨味を凝縮したような、ハイパーなポップ・サウンドがぎっしりと詰め込まれている。
「このアルバムの制作中、私たちは2~3曲の素晴らしい曲を入れようって考えていたわけじゃなくて、可能な限りいい曲を作ろうとしたの。だから、今回のアルバムは15~16の強力なシングルが集まったアルバムって感じね。つまり、ここに収められている曲はどれもシングルになる可能性があるわ」(ニコール)。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2008年11月20日 17:00
更新: 2008年11月20日 17:26
ソース: 『bounce』 304号(2008/10/25)
文/高橋 芳朗