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インタビュー

The Pussycat Dolls(2)

圧倒的な勝利宣言

 果たして、『Doll Domination』からはどれだけのシングル・ヒットが生まれることになるのだろう? 瞬く間にプラチナム・ディスクを獲得した第1弾カット“When I Grow Up”のセールス動向を見る限り、彼女たちは3年前の勢いをいまもなお維持しているように思える。

「誰でもみんな、小さい時に夢を持つと思うの。シンガーになりたいとか、ダンサーになりたい、消防士になりたい、画家や医者になりたいとか。そういう感じで、“When I Grow Up”では自分を信じて夢を追いかけようって歌ってる。もちろん、それは楽なことじゃないわ。人生で素晴らしいことって、そう簡単には起こらないものだから。思ってたようにいかないこともあるの。でも、それでいいのよ。それによって人はより強くなれるし、勝利がより感慨深いものになるから」(ニコール)。

 この“When I Grow Up”でプロデュースを務めているのはロドニー・ジャーキンスになるが、アルバムの制作陣は基本的に前作を踏襲したラインナップ。ポロウ・ダ・ドン、ショーン・ギャレット、ロン・フェア、R・ケリー、シェア・テイラーら錚々たる顔ぶれが並ぶなか、最多の4曲を手掛けるティンバランドの活躍が際立つ。

「ティンバランドが手掛けた曲のなかでは“Halo”が気に入ってる。ほろ苦い歌詞で、女の子が付き合っている人に〈あなたが望む人になれなくてごめんなさい、あなたの天使になれなくてごめんなさい、あなたの光の輪(Halo)をかぶれなくてごめんなさい……でも私はトライしなかったわけじゃないわ〉って言っているの。最終的には自分を理解して、他の誰かのためじゃなく自分のために生きることが大事なのよ」(ニコール)。

 事実上世界のポップ・マーケットを制したPCDの勝利宣言であり、その栄華がこれからも当分のあいだ続くことを予告する大作『Doll Domination』。ハリウッドのド真ん中でショウビジネスの何たるかを徹底的に叩き込まれたエンターテイメント・ターミネーターの本領発揮は、むしろこれからなのかもしれない。

「もう3年間活動を続けてきたから、私たちにはすでに基盤が出来上がってるの。アルバムを出してからのサイクルを一度体験していることもあるし、今回は前回よりもずっと楽しめそうだわ。またファンに会って、ファンといっしょに楽しんで……自分たちが大好きなことをやれる。この活動ペースに慣れることができたから、もう何の問題もないわ」(キンバリー)。

「このアルバムに収録された曲は、どれも世界中の女性たちに力を与えられるものだと思う。私たちは音楽をやりながらファンのことをいつも心に留めているの。PCDのパワーが生き続けるように、女性たちにメッセージを送っていきたいわ」(ニコール)。
▼『Doll Domination』に参加したアーティストの作品を一部紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年11月20日 17:00

更新: 2008年11月20日 17:26

ソース: 『bounce』 304号(2008/10/25)

文/高橋 芳朗