インタビュー

METRO STATION(2)

とにかくみんなを踊らせまくるよ!

 長年、PCの前でサウンド作りの研究を重ねてきたブレイクが加わったことで、メイソンとトレイスの作った曲は一気に完成度を高めることに。そして、アンソニー・インブローゴ(ドラムス)を迎えて4人編成となった彼らは、〈MySpace〉の未契約アーティスト・チャートで1位になるなどネット上におけるバズをステップに、いきなりメジャー・レーベルと契約。すぐにサム&スラッゴとモーション・シティ・サウンドトラックのジャスティン・ピエール&ジョシュ・ケインのプロデュースのもとアルバムを完成させて、精力的にツアーを行い、全米各地に盤石なファンベースを築いていった。

 「〈MySpace〉で音楽に興味を持ってくれる人はいるけど、それだけじゃリアルな繋がりは何もないし、ファンとの親密な関係は作り出せない。だから僕らは2年間ほとんど休みも取らずにツアーを続けたんだ。なぜなら、その場に行ってこそ生まれるファンとの繋がりがツアーにはあるからさ。僕らはそういう繋がりを大事にしているし、最高のライヴを届けるために毎晩全力を尽くしているよ」。

 きっかけはエモトロニカ・ブームやネット上での話題だった。確かにそれらはメトロ・ステーションというイマドキのバンドを語る際に忘れることのできない大事な要素だ。しかし、現在の彼らはすでにそういうカテゴライズを超えたところで万人を楽しませることのできるバンドとして、自分たちのキャリアを築きはじめている。ちなみに、6月には初来日公演も実現するとのこと。「強みのひとつだ」と自信満々に語るそのライヴをぜひ体験してみたい。

 「躍動感いっぱいのショウになるはずさ。だって僕たちがやっているのはダンス・ミュージックなんだから! とにかくみんなを踊らせまくるよ、絶対にね!」。    
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カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年05月28日 17:00

更新: 2009年06月05日 15:04

ソース: 『bounce』 310号(2009/5/25)

文/山口 智男