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インタビュー

〈Who's The Boy?〉から『Who's The Man』まで

 誰もが〈この子は誰?〉と目と耳を奪われたFolderの登場から10年余り、ここでは大知の残してきた作品を駆け足で紹介していこう。まず、そのFolderでは2枚のアルバムをリリースしているが、聴きモノは変声へと向かう様子が楽曲ごとに記録された2作目『7SOUL』だろう。それから数年の休養を経て、ソロ・アルバム『D-ROCK with U』が登場したのは2005年。今井了介やクラッチのJ・キュー、ZOOCO、宇多丸(RHYMESTER)らが関与した力作だった。翌年にはajapaiの“声をかさねて…”に客演もしているが、それもまだ序章の段階だったのだ。

 そのajapaiのプロデュースで2007年に登場した“Flag”ではみずから作詞を手掛け、2008年に入ると詞曲を初めて自作した“Special Story”をコンピ『FLOWER FESTIVAL』にて披露。その勢いのままNao'ymtの手による3連続シングルに突入するのだが、“Inside Your Head”には“Magic”、年を跨いでの“Your Love”には“Spotlight”と、自作曲もカップリングの形で発表されていく。ここで得た自信が新作『Who's The Man』に反映されているのは言うまでもないか。また、現時点での最新シングル“Delete My Memories”にもアルバム未収録の“Damn”(露崎春女とJineが参加!)が入っているので要注意。そして、レギュラーに名を連ねるイヴェント〈SUGAR SHACK〉のミックスCDでは同名テーマ曲に参加……と、女性上位な日本のR&Bシーンにおいて、気がつけば男性シンガー躍進のカギを握るひとりになっていたことに驚かされる。もう〈Who's The Man?〉なんて訊ねてる場合じゃないかもね。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年09月16日 18:00

ソース: 『bounce』 314号(2009/9/25)

文/出嶌 孝次

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