インタビュー

ベンジーのさまざまなアウトプットを示す、これまでの活動の歴史をプレイバック(その2)

【JUDE】
 渡辺圭一&池畑潤二という、HEATWAVEのリズム隊と共に2002年に結成(ドラムスは後に椎野恭一、そしてフジファブリックなどでも叩いていた城戸紘志が担当)。メンバーが男性のみだからか力強くて荒々しく、どこかヤンチャな表情のある演奏が魅力的だ。ライヴではBJC時代の楽曲も解禁して(良い曲なのに誰もやらないのはもったいない、という理由らしい)往年のファンを狂喜させた。2005年末から活動を休止している。*鬼頭

『Highway Child』 Sexystones(2002)
ロード・ムーヴィーのように情景が移り変わる、旅情に満ちた作品。“Wild Bebi”“Diduri Didura”などのシャープなロックンロールから、UAがコーラスを取る“葉っぱのおうち”や“新しい風”のような美しいスロウ、ポップなアコースティック・ナンバー“アクセル”など曲調も多彩だ。*鬼頭

『Electric Rainbow』 Sexystones(2005)
現時点での最新作となる、ドラマーに城戸紘志を迎えた2作目。前半はビターでハードな楽曲で一気に攻め立て、ダーティーな変拍子インスト“Brown Bunny”もクールだ。後半は城戸がピアノを弾くミディアム“本当の世界”、ムーディーな“blue moon flower”などを揃え、静謐な世界が広がる。*鬼頭

【浅井健一】
 2006年からソロでの活動を開始。アルバム作りにおいては、表現したいテーマやモードに合わせてさまざまなプレイヤーを迎えており、BJC時代の盟友である照井利幸やLITTLE CREATURESの鈴木正人をはじめとした凄腕たちと切磋琢磨している。ライヴではこれまでにSCARLETのベーシスト・林束紗やEGO-WRAPPIN' & THE GOSSIP OF JAXXのドラマー・末房央、11月からのツアーにも帯同するヴァイオリン&鍵盤担当の岡村未央らがサポート。ソロでの楽曲のほかにもBJCやJUDEのナンバーもプレイされている。*鬼頭

『Johnny Hell』 Sexystones/ARIOLA JAPAN(2006)
ソロでの初作。照井利幸&茂木欣一という強力なリズム隊とSHERBETSのメンバーが助力し、ここまでのキャリアの集大成とも言えそうなサウンドを展開した。椎名林檎のコーラス参加を得た“危険すぎる”をはじめ、アグレッシヴな楽曲が多いが、歌詞には無情な世を憂うような部分も垣間見られる。*鬼頭

『CHELSEA』 Sexystones/ARIOLA JAPAN(2007)
同時にリリースされた猫ジャケ2作品のうち、もう一方が〈動〉なら本作は〈静〉と言えるだろう。ややテンポを落としたセンシティヴな楽曲群には、みずからの心象世界に深く潜り込む浅井の姿が投影されている。狂気と表裏一体のロマンティストぶりがスリリングにスパークする様が刺激的だ。*土田

『Rod Snake Shock Service』 Sexystones/ARIOLA JAPAN(2007)
こちらの黒猫編は林・末房・岡村といったライヴでのサポート・メンバーと共に制作したもので、鋭くハイテンションな一品。“FIXER”“リトルリンダ”など突破力のある曲が揃っており、たくさんの登場人物が入り乱れ、ブッ飛んだ物語を展開する歌詞はまさに浅井の真骨頂と言えるだろう。*鬼頭

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年09月30日 18:00

ソース: 『bounce』 314号(2009/9/25)

文/加藤 直子、鬼頭 隆生、土田 真弓