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インタビュー

ZEBRAHEAD 『Get Nice!』

 

イェ〜イ! サイコー!! ヤツらが3年ぶりにオリジナル・アルバムを完成させたZ! これさえGETすれば、NICEな夏は約束されたも同然だよな!!

 

ZEBRAHEAD_A

 

何でも〈Get Nice!〉なんだよ!

正直なところ、2004年にヴォーカルのジャスティン・マウリエロが突如脱退した時には、ゼブラヘッドももはやこれまでか……と失望の念を禁じ得なかった。それは、解散せずにバンドを存続することが発表されても変わることはなかった。だからこそ、彼らがマッティ・ルイスという、ジャスティンと同様、いや彼以上にゼブラヘッドにジャストな新ヴォーカリストを迎え入れ、超陽性のサウンドと激キャッチーなメロディーを鳴らして帰還を遂げた時は、そのあまりに見事なカムバック劇に、快哉を叫びたい思いだった。同じように感じていた人は、きっと多いのではないだろうか。

まさに、相思相愛。日本のファンと深く強固な絆を結んでいる彼らが、今年の〈サマソニ〉に、単独最多となる通算6回目の出演を果たす。メンバーもこのフェスが大好きで、来日を待ち侘びているようだ。

「オーディエンスが信じられないくらい素晴らしいからね。最高だよ」(マッティ)。

「本当に感動的なフェスだよな」(グレッグ・バーグドルフ、ギター)。

「出演できるって決まった瞬間から実際に演奏してステージを去るまで、ずっとエキサイトできるんだ」(アリ・ダバタビー、ラップ)。

「世界一のフェスだよ」(ベン・オズモンドソン、ベース)。

「ビールも旨いしな」(エド・ウドハス、ドラムス)。

「何と言っても〈SUMMER SONIC〉は〈Get Nice!〉なフェスだからね」(ベン)。

「だから、みんなで〈Get Nice!〉するってわけだ」(アリ)。

「そうそう、最高の〈Get Nice!〉はこのフェスってこと!」(マッティ)。

と、しっかりオチをつけてくれた彼ら。そう、マライア・キャリーやブリトニー・スピアーズ、デスティニーズ・チャイルドなど女性シンガーのヒット曲を大胆にパンクにリメイクした痛快なカヴァー作品『Panty Raid』のリリースを経て、ゼブラヘッドが約3年ぶりに放つニュー・アルバムのタイトルが『Get Nice!』なのだ。

「自分がハッピーになれるなら、何でも〈Get Nice!〉なんだよ」(アリ)。

「ゲロ吐いてスッキリするのも」(マッティ)。

「オナニーすることも」(ベン)。

「オッパイを触ることもね」(マッティ)。

相変わらずメンバーの話が行き着くところはシモなのだが、何より〈Get Nice!〉なのが、このアルバムの曲たちであることは言うまでもない。制作に丸々1年が費やされたという今作には、ポジティヴ、パワフル、ジョイフル、ピースフル、アップリフティングと、3拍子も4拍子も5拍子も揃った極上のゼブラヘッド・アンセムが、これでもか!とばかりに詰まっている。

 

ニホン、ダイスキデス!!

「完成した時は本当に嬉しかった。ずいぶん長い間、曲作りをやっていて、永遠に完成しないんじゃないかって不安になった時もあったからね」(ベン)。

「やっとみんなに聴いてもらえることが嬉しいし、誇りに思っている。このアルバムを聴いてくれた人が、オレたちが制作中にそうだったように前向きな気分になってくれたら、これ以上に光栄なことはないよ」(マッティ)。

この(真面目モードにシフトした)コメントからも、ゼブラヘッドが今回、不穏で閉塞感に満ちた世の中や世界の空気感から、一瞬でも解放されて希望を見い出せるような力を持った楽曲を、妥協せずに作ることにベストを尽くしていたことが窺い知れる。その極みとも言えるのが、ファースト・シングルにも選ばれたタイトル曲“Get Nice!”で、彼らは日本の震災のニュースを受けて、歌詞をより日本にフォーカスした内容へと書き換えている。

「もっと元気になってもらえるような内容にしたんだよ」(マッティ)。

「たくさんの人が辛い思いをしていることに、思いを馳せたんだ。日本のファンが大好きだし、日本はオレたちにとって第二の故郷のようなものだから、少しでも元気になってもらえるような内容にしたかった。大変なことが起こっているけど、きっと状況は好転するから前向きにがんばっていこう、できる限りのことをしよう、みたいな感じかな。みんなにオレたちの気持ちが伝わるといいな」(アリ)。

「(日本語で)ニホン、ダイスキ」(マッティ)。

「(日本語で)ハイ」(アリ)。

シーン屈指のお下劣&おバカ集団(失礼!)でありながら、音楽は問答無用のカッコ良さというギャップが、変わらぬ魅力のゼブラヘッド。そしてその素顔は、本当に優しくて温かい。こんなバンドと巡り会えた幸せを噛み締めながら、〈サマソニ〉のステージを待つとしよう。

「人には誰だって、その人なりの良さがあるわけで、これがオレたちなんだし、他の誰かになりたいわけじゃない。ただ自分たちに正直なだけだよ。そして言われた通り、オレは美人コンクールで優勝したこともなければ(笑)、試合に勝ったこともない大マヌケ野郎だよ! でもゼブラヘッドとしてロックしてパーティーすることにかけては、いつだって全力投球なんだ」(マッティ)。

「そう、オレも完全に大バカ野郎さ! でもみんなには〈すべてを受け入れて、何ものも恐れるな〉って言いたいね。オレなんか、オナラをしないで写真を撮ったり、インタヴューに答えることさえ大変な時もあるんだよ(笑)。でも自分自身でいることができれば、誰だってハッピーになれるはずなんだ。だから、オレはただ身長がデカイだけの太った大バカ野郎かもしれないけど、人生を大いに楽しめているよ!」(ベン)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年07月26日 19:13

更新: 2011年07月26日 19:20

ソース: bounce 334号 (2011年7月25日発行)

インタヴュー・文/鈴木宏和