インタビュー

これまでの凛とした活動記録を辿ってみよう



ここでは凛として時雨の活動を振り返ろう。2002年に埼玉で結成された彼らは、自主音源を2000枚以上売るなどして話題を呼び、2005年に自身のレーベル、中野から初作『#4』を発表。ハイトーンの男女ツイン・ヴォーカルと、〈サディスティック〉と形容される切れ味の鋭いサウンドが衝撃を与えた。ミニ・アルバム『Feeling your UFO』を挿んで、2作目『Inspiration is DEAD』は楽曲のスケール感も混沌の度合いも増してより多くのリスナーを惹き付け、その人気を確固たるものとした。2008年に初のシングル“Telecastic fake show”を発表した後、フォトブック仕様の“moment A rhythm”でいよいよメジャー・デビュー。そして初めてインスト曲も収録した3作目『just A moment』は、もはやアートの領域へと足を踏み入れたような音像を生み出し、オリコン・チャートで4位を記録した。さらに前作『still a Sigure virgin?』ではピアノやフルートなどを導入して、新たな境地を切り拓いている。

それ以降は、メンバーのソロ活動が活発になり、TKはスコットランドとアイルランドの旅における日記や自身が撮影した写真から成るフォトブック、同地での8mm映像と新曲を収めたDVDをパッケージした「film A moment」をリリース。そして日向秀和とBOBOという、時雨とはキャラクターの異なる凄腕リズム隊を迎えた初のソロ・アルバム『flowering』では、ストリングスを用いて『still a Sigure virgin?』の路線をさらに押し進めた作風を披露した。また、345はインタヴュー中にもある通りgeek sleep sheepを結成。そしてピエール中野はドラム教則DVD(入門編と実践編)を発表するなど、名ドラマーとしての存在感を強めている。



▼関連盤を紹介。

左から、凛として時雨の2005年作『#4』、同2006年のミニ・アルバム『Feeling your UFO』、同2007年作『Inspiration is DEAD』(すべて中野)、同2009作『just A moment』、同2010年作『still a Sigure virgin?』、TKの2011年のフォトブック+DVD「film A moment」、同2012年作『flowering』(すべてソニー)、ピエール中野の2011年のDVD「Chaotic Vibes Drumming 入門編」(ピエールレコーズ/Moving on)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年05月20日 00:00

更新: 2013年05月20日 00:00

ソース: bounce 354号(2013年4月25日発行)

文/金子厚武