インタビュー

吸血鬼が〈エレガンス〉を手に入れるまでの歩みをおさらい

 

VAMPIRE WEEKEND 『Vampire Weekend』 XL(2008)

コロンビア大学在学中に制作。アフロ・ポップやヒップホップ、クラシック音楽を独自に解釈しているほか、(アパレル・メーカーの)ベネトンとレゲトンを掛け合わせるなど、現代的なセンスと文学性を併せ持つ歌詞も評価された。プレッピーな装いも瑞々しい初作だ。*妹沢

 

DISCOVERY 『LP』 XL(2009)

ロスタム(キーボードなど)がラ・ラ・ライオットのウェスと組んだ電子ソウル・ユニットで、甘い歌心を軸に置きつつ、シンセやプログラミングによって実験的な音を披露。ジャクソン5のカヴァーや、エズラがヴォーカル参加した曲もある。*妹沢

 

THE VERY BEST 『Warm Heart Of Africa』 Moshi Moshi(2009)

プロデューサーのレディオクリットとマラウイ出身のエサウが結成したデュオ。西アフリカのポップスとヒップホップやクラブ音楽などを融合した本2作目では、表題曲のヴォーカルをエズラが担当している。*妹沢

 

ABD AL MALIK 『Chateau Rouge』 Barclay(2010)

本作収録の“Dynamo”でフックを歌っているエズラ。アーシーな女性コーラスとアフリカン・ドラムを用いたおセンチ電子ポップに淡い高音ヴォイスがマッチしていて、プロデュースを担当したゴンザレスの手腕がキラリ! *山西

 

VAMPIRE WEEKEND 『Contra』 XL(2010)

スカやレゲエ、ダブステップなどさらに多彩なフレイヴァーを導入。アイデンティティー、そして物事が白黒や善悪など2つに分けられぬ様をモチーフにしつつ、それを陽性なポップスに仕立てたことで幅広いリスナー層に届き、全米1位/全英3位を獲得した。*妹沢

 

RA RA RIOT 『The Orchard』 Barsuk(2010)

フロントマンのウェスはエズラと幼稚園時代からの友人で、高校時には複数のバンドを共に経験した仲。ロスタムがプロデュースしたこの2作目では、彼ららしいリズミカルで躍動的なチェンバー・ポップがより成熟している。*妹沢

 

DAS RACIST 『Relax』 Greedhead(2011)

最近はキッド・カディなどラッパーとの交流が盛んなロスタムが、ブルックリン繋がりで本作収録の“The Trick”をプロデュース。抜けの良いスネアと8ビット音を絡ませ、都会のダル〜い夏をインディー感満点に演出しています。*山西

 

MAJOR LAZER 『Free The Universe』 Mad Decent/Downtown/TRAFFIC(2013)

カール・ドーキンス“Satisfaction”使いの“Jessica”にエズラが参加。ロックステディ特有の甘酸っぱさが引き出されているわ〜と思った矢先、ヴォーカルのピッチをイジリ倒しちゃうんだもの……。この気持ち悪さはクセになります。*山西

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年05月08日 18:01

更新: 2013年05月08日 18:01

ソース: bounce 354号(2013年4月25日発行)

ディスクガイド/妹沢奈美、山西絵美