〈2015年アーティストの一番のお気に入りCDは？〉Anchorsong編

5年振りの新作となる『Ceremonial』は、すでにジャイルス・ピーターソンやローラン・ガルニエ、カリズマ、オスンラデをはじめ世界中から多くの賞賛の声とサポートを受けており、前作で魅せたキャッチーでメロディックなフレーズとビートはそのままに、ミニマル・ミュージックの方法論を取り入れ、オーケストラ・ポリリズムからブルージーなハイライフ、そして“フェラ・クティ”スタイルのアフロビートからの影響を反映させている。

繊細さと大胆さを持ち合わせたメロディとオーガニックなリズムが同居することで露わになるアンカーソング独自の世界観。その開放的な音は、伝統的なアフリカのリズムとともに肌触りのいいタペストリーのように織り成され、リスナーを新たな世界へと連れて行ってくれるだろう。

Anchorsong / 「Oriental Suite」

▼選盤テーマ：2015年、一番聴いたCDは？

Floating Points『Elaenia』

エレクトロニックな音楽はアルバム単位で好きになれるものが少ないんですが、これは何度も繰り返し聴いています。過去のフロア向けのシングル群も大好きだったけど、今作にはまた違った魅力があります。こんなにもウォームでオーガニックなエレクトロニックミュージックには久々に出会いました。

▼選盤テーマ：2015年、一番気になったアーティストは？

Clap! Clap!

去年ロンドンで彼との2マンイベントがあったんですが、それ以来すごく気になっているプロデューサー。アフリカンなテイストを取り入れたエレクトロニックミュージックを作っている人はたくさんいますが、彼はセンスとスキル共に抜きん出ていると思います。

▼2015年印象に残った出来事は？

海外では随分前から一般的になっていたストリーミングサービスが日本でも浸透し始めたこと。収入の詳細が不透明だったりと、ミュージシャンの間では反対意見も数多くありますが、個人的には人々がよりいろんな音楽に触れる機会を与えてくれるものだと思っています。それで本当に気に入った作品を見つけたら、改めてレコード屋さんに足を運んでCDなりレコードなりで購入する。そういうサイクルが一般的になればいいなと思います。

▼リリース＆ライヴ情報

2016年1月28日（木）に、青山月見ル君想フでアルバムのリリースパーティーがあるほか、1月は日本の各地でライブの予定があるので、足を運んでみてもらえると嬉しいです。1月22日に約4年ぶりのアルバム『Ceremonial』がリリースされます。モダンでトラディショナルという一見相反するコンセプトに正面から取り組んだ野心作なので是非聴いてみて下さい。

http://anchorsong.com/