ワーナーよりデュ・プレ、ロストロポーヴィチ、ムター＆カラヤンの名演がLPレコード発売！

近年LPレコード発売に力を入れているワーナークラシックスより、またまた大注目のLPが3枚登場！

1枚目は天才チェロ奏者デュ・プレ（1945～87）が1965年8月、20歳のときに録音した永遠の名盤、エルガーのチェロ協奏曲です。1965年発売の英EMIオリジナルLP（ASD655）のオリジナル・ジャケット・デザインで発売されます。バックはバルビローリ指揮のロンドン交響楽団。デュ・プレの本格的デビューのはなむけとして、バルビローリがオーケストラ起用に特にロンドン交響楽団を希望したという逸話をもっています。カップリングは同じエルガーの歌曲集“海の絵”で、メゾ・ソプラノのジャネット・ベイカーが深々とした声で歌っています。こちらも素晴らしい名演です。2011年アビイ・ロード・スタジオによるオリジナル・マスターテープより、24bit/96kHzリマスター音源を使用し、180gアナログLP盤として限定復刻されます。

2枚目はロストロポーヴィチの貴重なドキュメント、1966年9月25日、モスクワ音楽院大ホールでのショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第2番世界初演のライヴ録音です。この正式音源は、ロストロポーヴィチ自身が管理していましたが、1970年 社会主義を批判した作家アレクサンドル・ソルジェニーツィンを擁護したことによりソビエト当局から「反体制」とみなされ、以降、国内演奏活動を停止させられ、外国での出演契約も一方的に破棄、1974年 2年間のビザを取得して出国しそのまま亡命した際に、彼の荷物に違う品名の荷札を貼った箱に隠すことによって、ソ連より没収を逃れたものです。今回、レコード・ストア・デイのために、レントゲンフィルムをデザインした「ピクチャー・レコード（重量級180g）」として、初めてのアナログLP盤発売、全世界完全数量限定で発売されます。レントゲンフィルムをデザインした理由は、旧ソ連で禁制音楽を使用済レントゲンフィルムに音溝を刻み込んだレコードにより地下流通させていた「肋骨レコード」をイメージしたためと思われます。

3枚目は1984年にリリースされたムター（ヴァイオリン）カラヤン指揮ウィーン・フィルによる名盤ヴィヴァルディの“四季”です。カラヤンのEMIへの最後の録音となったもので、オリジナル・ジャケット・デザインの180グラム・アナログLP盤として限定復刻されます。当時、カラヤンとベルリン・フィルはクラリネット奏者ザビーネ・マイヤー（1959～）の入団問題で対立していました。録音1週間前の1984年6月にはザルツブルク聖霊降誕祭コンサートで、カラヤンが急遽ベルリン・フィルをキャンセルし、ウィーン・フィルを自費で呼び寄せて演奏を行うという「事件」を起こしています。LPのジャケット写真を担当したのは、イギリス王室写真家のスノードン伯爵アントニー・アームストロング=ジョーンズ（1930～2017）でした。EMIよりジャケットの両面に対となる写真を依頼されたスノードン伯爵は、ウィーンの森でムターとカラヤンを撮影しました。ジャケットの表面は木漏れ日が射しこむ森に座って誰かを待っているようなムターの写真。裏面は暗くなりかかった森の中で、木に右手を当てて佇んでいるカラヤンの写真となっています。森の光は二人の録音当時の年齢(カラヤン76歳、ムター21歳)を連想させますし、二人が同じ赤のセーターを肩に掛けていることも興味深いものがあります。LPでの復活により、カラヤンにまつわる当時の様々なことが思い起こされることでしょう。
（タワーレコード）

ジャクリーヌ・デュ・プレ／エルガー：チェロ協奏曲、他（アナログLP限定盤）

【収録曲】
エルガー： 1) チェロ協奏曲ホ短調Op.85,  2) 歌曲集「海の絵」Op.37（全5曲）

【演奏】
ジャクリーヌ・デュ・プレ（チェロ：1）,  ジャネット・ベイカー（メゾ・ソプラノ：2）
ジョン・バルビローリ（指揮）　ロンドン交響楽団

【録音】 1965年8月、キングズウェイ・ホール（1）, アビイ・ロード・スタジオ（2）

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ／ショスタコーヴィチ：チェロ協奏曲第2番（ピクチャーアナログLP限定盤）

【収録曲】
ショスタコーヴィチ：チェロ協奏曲第2番ト長調Op.126

【演奏】
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ（チェロ）,
エフゲニー・スヴェトラーノフ（指揮） ソビエト国立交響楽団

【録音】1966年9月25日、モスクワ音楽院大ホール、ライヴ

アンネ＝ゾフィー・ムター, ヘルベルト・フォン・カラヤン／　ヴィヴァルディ：四季（アナログLP限定盤）

【収録曲】
ヴィヴァルディ：ヴァイオリン協奏曲集『四季』
　1) 協奏曲第1番ホ長調 Op.8-1『春』
　2) 協奏曲第2番ト短調 Op.8-2『夏』
　3) 協奏曲第3番ヘ長調 Op.8-3『秋』
　4) 協奏曲第4番へ短調 Op.8-4『冬』

【演奏】
アンネ＝ゾフィー・ムター（ヴァイオリン）
ヘルベルト・フォン・カラヤン（指揮&チェンバロ） ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

【録音】1984年6月、ウィーン、ホーフブルク・ツェレモニアンザール