気鋭のトリオ、オリヴァー・シュニーダー・トリオによるベートーヴェン:ピアノ三重奏曲全集(3枚組)
スイスの実力派シュニーダーと、チューリッヒ・トーンハレ管の首席奏者のアンドレアス・ヤンケ、ベンヤミン・ニッフェネガーによって結成された気鋭のトリオ、オリヴァー・シュニーダー・トリオによるRCA Red Sealへの3枚目となる新録音は、好評を博したシューベルトとブラームスのピアノ三重奏曲全集に続く、独襖音楽の神髄ともいうべきベートーヴェンのピアノ三重奏曲全集です。
18世紀の後半のピアノ三重奏曲は、ピアノ・ソナタの延長線上のものであり、ヴァイオリンとチェロが、ピアノの補強やアクセント的な役割を担うものとされてきました。また、弦楽四重奏よりも軽めなジャンルで、最終楽章は軽やかで優雅なロンドで書かれるのが常でした。1795年、ベートーヴェンはこの慣習に終止符を打つべくピアノ三重奏曲作品1を作曲したのです。弦楽四重奏曲と同じように四楽章構成にし、終楽章をソナタ形式で書くことにより、音楽に深いドラマと交響曲のように雄大さを与えたのでした。
様々な名盤が存在するこの曲集ですが、美しきロマンティックさではなく、若きベートーヴェンの最前線の改革を発掘すべく熱血さを前面にだした、最も新しいアンサンブルの極みを聴かせてくれます。
【オリヴァー・シュニーダー・トリオ プロフィール】
1973年スイス生まれの実力派ピアニスト、オリヴァー・シュニーダー。ルース・ラレードやレオン・フライシャーに師事、多くのコンクールでも上位入賞を果たしています。ソリストとしてだけでなく、室内楽や伴奏ピアニストとしても実力を発揮、通好みのピアニストとしても知られています。この彼の名を冠したアンサンブルは2012年2月4日にデビュー、大絶賛を受けましたが、他のアーティストたちとも素晴らしいアンサンブルを行っています。ヤンケは、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団のコンサートマスター、ニッフェネガーは同楽団首席チェリストを務めています。
(ソニー・ミュージック)
【曲目】
ベートーヴェン:
1) ピアノ三重奏曲第1番 変ホ長調 Op.1-1
2) ピアノ三重奏曲第2番 ト長調 Op.1-2
3) ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 Op.1-3
4) ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調「街の歌」Op.11
5) ピアノ三重奏曲第5番 ニ長調「幽霊」Op.70-1
6) ピアノ三重奏曲第6番 変ホ長調 Op.70-2
7) ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調「大公」Op.97
【演奏】
オリヴァー・シュニーダー・トリオ
[オリヴァー・シュニーダー(ピアノ)
アンドレアス・ヤンケ(ヴァイオリン)
ベンヤミン・ニッフェネガー(チェロ)]
【録音】
2016年8月、チューリッヒ放送第1スタジオ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2017年08月29日 00:00