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ニューアルバム『今、何処(WHERE ARE YOU NOW)』発売を機に振り返る<2021年~2022年の佐野元春>

再びキャリアのピークに達している『今、何処』(イマドコ)ならぬ「今MOTO」(イマの佐野元春)直近2021~2022年のリリースを整理します。

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佐野元春&THE COYOTE BAND『今、何処』


■2022/7/6 リリース
2021年に配信シングル「銀の月」(本作に収録)を発表、続く新作アルバムはダブル・アルバムになるという元春の発言があったが、最終的にはそれぞれ独立したテーマを持ったアルバムが2作品、全国ホール・ツアー『WHERE ARE YOU NOW』の前後にリリースされることになった。第一弾アルバムが『ENTERTAINMENT!』(配信のみであったが、本作『今、何処 』初回限定デラックス・エディションにてCD化)、そして第二弾が本作『今、何処』である。

コロナ禍中に次々発表した配信シングル5曲を含む全10曲で構成される『ENTERTAINMENT!』はソリッドなバンドサウンド、アップテンポの楽曲が多数で、コヨーテバンドとして、これまでにない軽快さが魅力的な傑作であったが、対になる本作『『今、何処 (Where Are You Now)』は驚くほどシリアスだ。

ポップでありながらグロテスクさを孕んだジャケットのアートワークがその象徴。混沌とするこの世界のなかで、頭を収まりきらないほどの情報でいっぱいにして混乱してる自分自身は一体”今、何処”にいるだろうか!?その解答は、このアルバムを聴くことで見えてくるかもしれない。鋭いリリックが、暗喩的なサウンドが、世界の化けの皮が剥がれていくかのように。そして、見えてきた”今ここ”はあまりにも不穏なものとして描かれることに衝撃を覚えずにいられない。

佐野元春&THE COYOTE BANDは、アルバムフォーマットで表現されるポップミュージックの醍醐味を示した。
”佐野元春、最高傑作”との声多数であるのもうなずける!
個人的にはその結論を急ぎたくないが、”最高傑作級”であることは間違いない。
また、読み解かれることで価値が高まるアルバムにつき時間をかけて”最高傑作”昇り詰めることだろう。
つまり""今、聴こ""です!

佐野元春『名盤ライブ「SOMEDAY」』


■2022/05/25リリース
1982年発表の名盤『SOMEDAY』を完全再現した2013年11月のライブを『SOMEDAY』40周年となる2022年に映像作品化。セットリストはアルバム曲順通りにつき意外性は当然ないが、アルバムに込められた物語を体験するよな感覚は映画や演劇にも通じアルバム『SOMEDAY』が懐メロではなく、たとえ懐かしさという最高のスパイスがなくとも、現在を生きる我々に有効なメッセージとして感じとれるはずだ。アルバムタイトル曲「サムデイ」の一節。「♪Happiness & Rest 約束してくれた君 だから もう一度 あきらめないで まごごろがつかめるその時まで」。リアルタイムファンには青春期のイノセントの象徴たるこの名曲の「♪だからもう一度 あきらめないで」が「だから""40年を経た""もう一度 あきらめないで」とそれぞれの現在にリアルな意味をもって聴こえてくる。アンコールでは『SOMEDAY』と同年にリリースされた元春参加作『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』からの3曲が演奏されるも実に粋。バックは歴代の元春バンドメンバーによるHIS SPECIAL BAND。古田タカシ (Dr.)/長田 進 (Gt.)/佐橋佳幸 (Gt.)/Dr. kyOn (Key.)/西本 明 (Key.)/井上富雄 (Ba.)/大井 ’ スパム ’ 洋輔 (Per.)、コーラスに堂島孝平 (Cho.)佐々木 久美 (Cho.)、”そして最後に”ダディ柴田 (Sax.)。さらに伊藤銀次 (Gt./Cho.)も参加!元春と全国を旅して幾夜も奇跡を起こした歴代メンバーたちが、アルバム再現以上の感慨を生み出す!

桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎『時代遅れのロックンロールバンド』

・TOWER RECORDS MUSIC配信ページはこちら
https://music.tower.jp/album/detail/1021744793

■2022/5/23 リリース(配信のみ)
桑田佳祐が作詞作曲し、フィーチャリングに佐野元春、世良公則、Char、野口五郎を迎えた楽曲。2022年2月に、久しぶりに顔を合わせた桑田佳祐と世良公則の会話から生まれた「同級生で協調して、今の時代に向けた発信をできないか?」というアイディアに端を発し、日本を代表し、今尚、現役で活躍する音楽人である桑田佳祐(1956年生)、佐野元春(1956年生)、世良公則(1955年生)、Char(1955年生)、野口五郎(1956年生)の5人で結集する構想を桑田が描き、4月末、自らがそれぞれに手紙を書き、会いに行った。40年以上も同じ世界で活躍していながら、意外にも、これまで交わることのなかったこの5人。「今敢えて“時代遅れ”なやり方で、我々の世代が「音楽という名の協調」を楽しむ姿を発信し、その中で「次世代へのエール」や「平和のメッセージ」を届けたい」という桑田の想いに共鳴し、長きにわたる音楽活動を支えてくれたそれぞれのファンへの感謝とお互いへのリスペクトを胸に、今自分たちができることとして「共に歌う」べく集まった。MVには大友康平、原由子、ハマ・オカモトも出演。一本マイクを囲んでの演奏シーン、幼少期の写真が映し出されるは、スーパー・グループつながりで、ジョージ・ハリスン、ジェフ・リン、 ボブ・ディラン、トム・ペティ、ロイ・オービソンによるドリーム・ユニット”トラヴェリング・ウィルベリーズ”の「ハンドル・ウィズ・ケア」オマージュです。

佐野元春&THE COYOTE BAND『ENTERTAINMENT!』


■2022/4/8 リリース ※『今、何処(WHERE ARE YOU NOW)』《デラックス・エディション》で待望のフィジカル化
「佐野元春 & THE COYOTE BAND ZEPP TOUR 2021」のステージで元春は、ニューアルバムに向けてアルバム2枚分の楽曲を準備していると語った。ダブル・アルバム?2作同時リリース?と期待が高まるなか、最終的にはそれぞれ独立したテーマを持ったアルバムが2作品リリースされることになり本作『ENTERTAINMENT!』は第1弾アルバムとして配信のみで、全国ホール・ツアー『WHERE ARE YOU NOW』の初日公演の前日である2022年4月8日にリリース。ちなみに、第2弾アルバム『今、何処(WHERE ARE YOU NOW)』はツアー最終日の4日後が発売日。つまり、4/8配信アルバム『ENTERTAINMENT!』リリース➡ 4/9~7/2 全国ツアー『WHERE ARE YOU NOW』➡ 7/6 アルバム『今、何処(WHERE ARE YOU NOW)』とツアーを挟んでアルバム2作を発表するという驚くべきプランであったのだ。そして、本作『ENTERTAINMENT!』はまるで来るべきツアーでの盛り上がりを期待させるようなアップテンポ、ポジティヴさを感じさせるナンバーが揃ったアルバム。コロナ禍においても創作を止めず2019 年から2021 年にかけて配信でリリースしてきたシングル曲を一挙収録。シングル曲①~⑤を中心とした全10曲で34分5秒!シンプルで全く無駄がなく、聴き心地の爽快さはかつてないほどで間違いなく傑作といえる。7 月6日リリースの第2弾アルバム『今、何処(WHERE ARE YOU NOW)』《デラックス・エディション 》 で待望のフィジカル化。CDとしてボックスに付属される。明らかにコンセプトが異なるもう1枚のアルバム『今、何処(WHERE ARE YOU NOW)』とセットになることで、アルバム『ENTERTAINMENT!』の評価が高まるはずだ。

佐野元春『佐野元春『ザ・ソングライターズ』』


■2022/03/22 リリース
~ポップソングは時代の表現であり、時代を超えたポエトリーである(佐野元春)~
佐野元春が日本の音楽シーンを牽引してきたソングライターを元春の母校・立教大学での公開講座に迎え彼らの「ソングライティング」の秘密に迫った伝説のTV番組の書籍化。2009年7月から2012年12月にわたりNHKにて放送された回に加え、なかにし礼(NHK101スタジオにて収録)大瀧詠一(NHK-FM元春レイディオ・ショーにて収録)、最後に佐野元春(NHK101スタジオにて収録)自身が加わり、日本ポップスシーン史を語るときに欠かせない超一級の資料となった。ソングライター達との対話から、元春ならではジャーナリストとしての鋭さが味わるうえ、そのやりとりから元春自身のソングライティングについても垣間見えるのが元春ファンにも嬉しい必携必読の書。巻末にはトーク内に登場した名詞をまとめた索引も興味深い。ちなみに、高頻出ワード(出演者を除く)は「ビートルズ」「ボブ・ディラン」「細野晴臣」、「ベトナム戦争」「東日本大震災」「阪神・淡路大震災」「吉田拓郎」であった。

ナイアガラ トライアングル『NIAGARA TRIANGLE Vol.2 VOX』


■2022/3/21リリース
1982年3月21日に発売されたナイアガラ・トライアングル名義での2作目のスタジオ・アルバム。このVOL.2には大滝詠一がその才能を認めた佐野元春、杉真理の3名が参加。各自が持ち寄った楽曲で構成されたナイアガラ・トライアングル名義での2作目のスタジオ・アルバム。そして発売40周年を記念してリリースされた『NIAGARA TRIANGLE Vol.2 VOX』は貴重な音源をふんだんに収録した究極のコレクターズ・アイテム。そして佐野元春にフォーカスすると「NIAGARA TRIANGLE Story」と題されたDisc-4に収録された貴重かつ重要な音源は聴き逃がせない。
「NIAGARA TRIANGLE Story」より佐野元春ナンバーをご紹介。
(1)Bye Bye C-Boy (2011 Remix Version)/佐野元春 from NIAGARA TRIANGLE
→元春が制作当初に思い描いた姿を自らリ・エディット/リ・ミックスし再現したヴァージョン。
(2)彼女はデリケート/佐野元春 WITH THE HEARTLAND[1981/4/25 TBSラジオ「赤坂ライブ」]
→大滝詠一がこのパフォーマンスを観てアルバムの発想を思い付いたと言われる歴史的ライヴ。前のめりなザ・ハートランドの演奏が熱い!
(6)SOMEDAY/佐野元春 [1981/12/3 HEADPHONE CONCERT]
(8)A面で恋をして/NIAGARA TRIANGLE [1981/12/3 HEADPHONE CONCERT]
→大滝詠一のこれまた歴史的なコンサートに元春、杉真理がゲスト参加した際の音源。翌年リリースとなるアルバム『SOMEDAY』(1982年5月21日)ヴァージョンよりもテンポを落としたナイアガラ仕様での「サムデイ」。新たなロックスターの誕生の瞬間を感じさせます。そして、大滝、佐野、杉の3人で歌う「A面で恋して」。ここでもキザなナイーヴなロックンローラーぶりが魅力的。MCでの掛け合いも楽しい!
(11)彼女はデリケート (Single Version)/佐野元春 from NIAGARA TRIANGLE
→冒頭のSEとポエトリー・リーディング、エンディングの繰り返しの一部をカットしたタイトなヴァージョン。
(16)こんな素敵な日には/佐野元春 from NIAGARA TRIANGLE [1982/3/21 B-Side of Single「彼女はデリケート」]
→オリジナル・アルバム未収録
2022年3月21日には「オールナイトニッポンGOLD~NIAGARA TRIANGLE Vol.2 40周年スぺシャル」にも杉真理とともに出演。亡き大瀧詠一を偲ぶと共に、自身のキャリアの大きな転換期としてアルバム『NIAGARA TRIANGLE Vol.2 』、アルバム『SOMEDAY』を生んだ1982年を振り返った。

佐野元春『佐野元春 & THE COYOTE GRAND ROCKESTRA 40TH.ANNIVERSARY 'YAH!'』


■2021/12/22 リリース
2021年佐野元春40周年プロジェクトとして2枚のベストアルバム、EPICボックスに続き開催された記念ライブ、日本武道館、大阪城ホール2公演からの30曲。全キャリアを網羅したセットリストの豪華さとザ・コヨーテ・バンドにDr.kyOn、ホーン、パーカッションが加わったスペシャルバンドTHE COYOTE BAND GRAND ROCKESTRAの演奏が大会場に相応しい記念碑的ライブ映像。セットリストに目を向ければ、ザ・ハードランド、ホーボー・キング・バンド期のあまりにも直球すぎる選曲に大興奮。さらに凄いのはザ・コヨーテ・バンド期の楽曲・演奏の充実ぶり。ライブ時点での最新曲「エンタテイメント!」まで、コヨーテ期の元春は過去の自分の模倣に陥らず、ソングライティングにバンドサウンドにおいて新たな表現を獲得している...なんたるクリエイティビィティ!また、過去曲のアレンジに積極的であるのも元春がリアルタイムの表現者である証明だ。あのボブ・ディランがそうであるように、アレンジが変わっても楽曲の核が揺るがず、楽曲の強度が失われないのだ。(余談だが、ディランのライブは歌いだすまで、いや歌いだしても、さらには歌い終わっても楽曲が特定できない場合がある(笑))。そう、予定調和を嫌いスリルを選ぶのが佐野元春なのだ。そういった意味で本作は、40周年の集大成でもあるが、キャリア40年の”今の”元春ロックをとらえた映像作品といえる。さらに、時代の記録として重要なのは、コロナ禍を縫っての大会場での制限付き有観客コンサートであり、その開催自体が奇跡的な開催であったという点。そうした状況もこの映像作品には盛り込まれている。

佐野元春『スウィート16』


2022年11月に開催される名盤ライブVol.3で完全再現ライブのテーマとなる90年代屈指の名盤。前作『Time Out!』(1990/11/9発売)から1年以上を空けた1992年7月22日に発表。
前作『Time Out!』が質実剛健な良質なロック・アルバムであるものの、全体のトーンが決して明るいものではなかったのに対し、本作は開かれたポップさと疾走感を取り戻し、本人出演のCMで使用されたシングル(6)「誰かが君のドアを叩いている」などスマッシュヒットを含み、1992年の日本レコード大賞最優秀アルバム賞を受賞するなど新たなリスナーを獲得、90年代の佐野元春を印象付けた。なんといっても(2)「スウィート16」が鮮烈!バディ・ホリー(「悲しきレイディオ」の中で歌いこまれたロックンローラー)の代表曲である「ペギー・スー」、その印象的なドラム・ロールを継承。ザ・ハートランドの演奏、元春のシャウトという演奏面、録音、ミックスなどレコードとしての質の高さ。そして、ロック詞の極みとも言うべき、歌詞のすばらしさ。ティーンネイジャーの青春を疾走感ある言葉で詩情豊かに綴っている。名曲だ。(余談:この曲の先輩曲としてザ・キンクス「ヴィクトリア」、デイヴ・エドマンズ「デボラ」も是非チェックを。)さらに元春は(3)「レインボー・イン・マイ・ソウル」という名曲も生み出す。"90年代の「サムデイ」”という評価も納得。「サムデイ」の抗いがたいウェットさ受け継いだこの曲は気恥ずかしい表現だが、まさに人生の応援歌、アンセムだ。このポジティヴな流れは前述(6)「誰かが君のドアを叩いている」~(8)「ボヘミアン・グレイブヤード」~(11)「ハッピー・エンド」に通底しており、アルバム『スウィート16』がもたらす肯定感、活力が本作が愛される理由であろう。オノ・ヨーコ&ショーン・レノンを迎えた(9)「エイジアン・フラワーズ」、矢野顕子のデュエットした(12)「また明日...」も話題という以上の彩を添えている。

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掲載: 2022年07月07日 20:00