コルネリウス・マイスター&シュトゥットガルト国立管~マルティヌー:歌劇“ナイフの涙”&歌劇“橋の上の喜劇”
マルティヌーの小歌劇2作をコルネリウス・マイスターのタクトで
チェコの近代作曲家ボフスラフ・マルティヌー。多作家で知られ、6曲の交響曲、11曲の協奏曲を含む400作もの作品を遺しました。この中には歌劇も11作以上含まれています。作品によって次々と作風を変えることで知られ、このアルバムに収録された2つの歌劇も、作曲年代はそれほど離れていないにもかかわらず、その印象は全く違います。
《ナイフの涙》はあまりにも内容が淫猥かつ不道徳であったため、マルティヌーの生前に演奏されることなく、ようやく初演が叶ったのはマルティヌー没後の1969年の10月22日になってからでした。主役のエレオノーレとその母親、悪魔の3人の掛け合いで物語が進むものの、音楽は断片的で時にジャズ風というハンス・アイスラーを思わせる作品です。
一方、《橋の上の喜劇》はチェコの劇作家V.K.クリツペラの台本を元にして書かれた大変魅力的なラジオ・オペラですが、放送初演後にはすぐに忘れられてしまったため、1951年に英語版として改訂して再演、こちらは大成功をおさめました。マルティヌーは後にこの作品の音楽を素材とした組曲を作り、こちらは現在でも時折演奏されます。
近年、注目を集めるソプラノ、エレナ・ツァラゴヴァをはじめとした名歌手たちを、コルネリウス・マイスターが指揮するシュトゥットガルト国立管弦楽団が見事にサポートした演奏です。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
ボフスラフ・マルティヌー(1890-1959):
歌劇《ナイフの涙》(1928) 全1幕(フランス語歌唱)
1. Scène I: “J’aime la musique”
2. Scène II: “Madame! Prenez ces fleurs”
3. Scène III: “Oh, miel de lune”
4. Scène IV: “Un deux, trois quatre cinq, six, sept”
5. Scène V: “Quel est ce machiniste?”
6. Scène VI: “En vain, j’ai voulu faire battre ce morose pendule”
7. Scène VII: “Une mère est sans repos”
エレオノーレ…エレナ・ツァラゴヴァ(ソプラノ)
母親…マリア・リッカルダ・ヴェッセリンク(アルト)
悪魔…アダム・パルカ(バリトン)
歌劇《橋の上の喜劇》(1935/1951改訂) 全1幕
8. Scene I: “Stop!” - “Don’t stop me!”
9. Scene II: “Stand back!” - “Here, I have a pass”
10. Scene III: “Oh, I knew it! Now I see them!”
11. Scene IV: “There he is, now I can see him”
12. Scene V: “How are you this lovely morning?”
13. Scene VI: “Listen to that! Victoria!”
ジョゼフィーネ…エステル・ディールケス(ソプラノ)
エヴァ…シュティーネ・マリー・フィッシャー(アルト)
ジョニー…ビヨルン・ビュルガー(バリトン)
ビール製造者…アンドルー・ボガード(バス)
校長…マイケル・スモールウッド(テノール) 他
シュトゥットガルト国立管弦楽団
コルネリウス・マイスター(指揮)
【録音】
2020年7月9-10、13、15日、2021年7月13-15日
Stuttgart Opera, Probebühne Nord(ドイツ)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年09月30日 00:00