インタビュー

Jon Spencer Blues Explosion

ひたすらロックンロールの十字架を背負って生きる、エイト・ビートの伝 道師たちが帰ってきた。問答無用のロックンロール・アルバム『Plastic Fang』 は、天下無敵のストレート・パンチだっ!!

 ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン(以下JSBX)の3年 ぶりの新作『Plastic Fang』には、“Money Rock'n'roll”“Shaken' Rock'n'roll Tonight”“Rock Steady”――このようなタイトルの曲が収めら れている。


JSBXは一貫してロックンロールの本質を追求し続けてきたバンドなので、 なにをいまさら、と思う人もいるかもしれない。が、新作『Plastic Fang』は、 黒人音楽から生まれたロックンロールが本来持っていた狂騒や猥雑さを鮮やか に体現しているロックンロール・アルバムだ。

サウンドや録音方法といった点では、クラシックなロックンロール・アル バム、と言っても差しつかえないだろう。にもかかわらず、ここでJSBXが奏で ているサウンドは、ぜんぜん古臭くない。なぜならそこには、時代を超えたロッ クンロールの原初衝動が息づいているからで、〈ロックンロール〉という言葉 の上に堆積していた埃を吹き飛ばす快作なのだ。

そんな本作は、JSBXにとって初めて外部のプロデューサーを起用した作 品でもある。すなわちバンドにとって新しいステップを意味する作品であり、 現にジョン・スペンサーはこのように語ってくれた。

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掲載: 2002年05月09日 18:00

更新: 2003年03月07日 16:50

ソース: 『bounce』 230号(2002/3/25)

文/渡辺 亨