インタビュー

いまや敵なし!! COCOBATが打ち出す和製ヘヴィーネス・サウンド

 ブリッブリのベースにザックザクのギター。91年の結成以来、頑固一徹に守り続ける〈COCOBAT節〉。和製ヘヴィーネスの礎を築いた彼らの歩みは、海外のヘヴィー・ミュージック・シーンとは一線を画すものであったと思うし、だからこそ彼らがワン・アンド・オンリーたる所以なのだ。

デビュー作である『COCOBAT CRUNCH』(92年)の発表当時、英国の専門誌「KERRANG!」が彼らのことを〈パンテラに対する日本からの回答〉と評したように、93年ごろはパンテラがアメリカ~ヨーロッパを中心に爆発的な人気を獲得。この波と同調するかのようにCOCOBATも海の向こうで注目を集めたというわけだ。

で、95年。いわゆるモダン・ヘヴィーネス旋風が巻き起こる。コーンのデビューを皮切りに、ヒップホップとヘヴィーメタルが肩を並べるようになった。96年の『RETURN OF GRASSHOPPER』で、ふたたび〈COCOBAT節〉を打ち出した彼らは、そんな流行とは無縁であることを証明。また、パンテラも『The Great Southern Trendkill』なる作品で、荒ぶるメタル魂を見せつけている。

そう、両者の根底にあるのは古き良きヘヴィーメタル/スラッシュ・メタルなわけで、それを徹底した自己鍛錬で磨き上げることを美学のひとつとしている。新世紀に入って、ラップ・メタルとグランジ風味メタルの二極化が進む欧米のシーンのなかで、彼らに勝るインパクトと音をもったバンドはいまだ現れていない。

左から、92年発表のCOCOBATのデビュー・アルバム『COCOBAT CRUNCH』、96年のアルバム『RETURN OF GRASSHOPPER』(共にトイズファクトリー)。パンテラの92
年作『Vulgar Display Of Power』、96年作『The Greatest Southern Trendkill』(共にEast West)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月09日 18:00

更新: 2003年03月07日 16:48

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/トリプル永地

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