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インタビュー

Warren G(3)

アルバムに集まった最強のチーム

 ところで、ハード・エッジなビートとともに、今回はゲスト・ラッパーの人選もひと味違ってまして、その筆頭に挙げられるのはミスタ・グリムでしょう。93年にデビュー前のウォーレンがプロデュースしたシングル“Indo Smoke”で知られるラッパーですが、その後は相当の期間ご無沙汰だった人です。

「新作のポイントはそこなんだよ。つまり、昔つるんでいたヤツらと、“Regulate ”のころのようにいっしょに音楽を作るってことさ。グリムとまた会うようになったのはここ1年ぐらいの話で、その間ずっと彼がなにをやっていたかは知らない。でも、ヤツは才能豊かで、オレはとてもリスペクトしてる。グリムのように、ビジネスの都合で埋もれてしまった人間をまた現場に呼んで、このゲームにもう一度参加させたいんだ。オレたちはすごく仲がいいし、今後、彼が成功するようにオレは力を尽くすよ」。

実際この後にはグリムの作品制作に入るそう。そして彼が言うところの〈埋もれてしまった人間〉がもうひとり。ボス・ホッグ。この名でわからなければ、CPOといえば、思い出す人もいるはず。そう、NWA時代のMCレンにフックアップされてミニ・アルバム『To Black And Hell』をリリースしていた、LAの古参MCです。さらに、昔つるんでいた連中、となると今回もハズせないのが、もちろんネイト・ドッグとスヌープ・ドッグのふたり。で、ちょっと説明しておくと、3人は80年代後半に213というグループを組んでいて、Gさんいわく「最初は3・ザ・ハードウェイというグループで、オレとスヌープとエアーってヤツだったんだけど、後からネイトが入って213になった」と経緯の深い仲。そのデモ・テープをGさんがドレに渡したからみんなデビューできたわけで、やはり思い入れの強い絆だと思いますけど。スヌープ、ネイトともにスゴいスターになって、3人の関係はどう変わりましたか?

「オレたちは変わらずいいダチだよ。ただ、それぞれ忙しくしているからね~。各々が目の前のことを終わらせたら、213のアルバムに取りかかる予定なんだ」。

ん~、〈213のアルバム〉って何年も前から言ってますよね。しかし、血縁や地元ロングビーチの友達という近しい縁ばかりで、よくこんなに才能が集まったもんです。

「オレもそのことはいつも考えているね(笑)。たぶん、ロングビーチに流れている水と関係あるんじゃないかな」。

よくわかりませんが……ほかにもアルバムには、急速に注目を集めている西海岸の女性シンガー、トイことラトイヤ・ウィリアムズや、DPGのコラプト&ロスコー兄弟、ウォーレンみずからが見出した新人ラッパーのダモーン、同じく新人で「オルタナティヴな白人シンガーだ」というレディー・モーらがエントリーされています。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月23日 22:00

更新: 2003年03月03日 22:45

ソース: 『bounce』 227号(2001/11/25)

文/轟 ひろみ