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インタビュー

プロデューサーとしてのウォーレンGは敏腕&慧眼!

 本人もインタヴューで語っているように、ウォーレンGはラッパーよりも(広い意味での)プロデューサー志向のほうが強い。それは積極的な外部活動からも窺えるし、つねにレーベルを維持して新しいアーティストを送り出してきたことからもわかる。94年にみずからの“Regulate”がヒットしたことでデフ・ジャム傘下に(Gファンク)なるレーベルを設立したウォーレンは、トゥインズやダヴ・シャック、5フーターズといった地元アクトを世に出していく。ポッと出の新人としては珍しい厚遇ぶりを天下のデフ・ジャムから受けていたのだ。それ以前からプロデューサーとして認知を高めていた彼は、MCブリードや2パックから、シャキール・オニール、スリック・リックまで、幅広い面々の楽曲に携わっている。また歌モノに関しても、ニュー・エディションのGなリミックスを皮切りに98年ごろから積極的に取り組み、自社アーティストのリール・タイトやTQなどでは持ち前の歌心をよりストレートな形で表現している。

とはいえ、すべてを自分でやりたい人ではなく、適材適所の人材を起用して作品を輝かせるバランス感覚も彼はもっている。ドレ、ウォーレンの〈次〉に来る存在として騒がれているスーパフライにしても、彼は95年(トゥインズ『Conversation』)の時点で目を掛けていて、近作にも連続起用している。先に〈広い意味での~〉と述べたのはそういう意味だ。

トラックメイカーとしてここしばらくはスヌープやネイト、コラプトなどのツレ仕事のみに忙殺されてきたものの、この後は実力派と言われながらも埋もれていた古参、ミスタ・グリムやCPOを手掛けるとのことなので、そちらも楽しみに待ちたい。


トゥインズ『Conversation』(G Funk/Def Jam)


5フーターズ“The Heist”(G Funk/Def Jam)


マック・ドレ『Rapper Gone Bad』(Navarre)


ニュー・エディション“Hit Me Off”(MCA)


TQ『The Second Coming』(Epic)


ミスタ・グリム“Indo Smoke”(Epic)


CPO『To Hell And black』(Capitol)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月23日 22:00

更新: 2003年03月03日 22:45

ソース: 『bounce』 227号(2001/11/25)

文/出嶌 孝次