インタビュー

新作の味わいを引き立てたメンバーの課外活動

TICOいわく「このメンバーが揃ったときにはもうLITTLE TEMPOって呼んでいいと思って」とのこと。今回のメンバーを紹介すると、土生“TICO”剛(スティールパン)、SEIJI“BIG BIRD”(ベース)、佐々木育真(ギター)、HAKASE(キーボード)、春野高広(サックス)、田村玄一(スティールパンなど)、大石幸司(ドラムス)、田鹿健太(パーカッション)、内田直之(ミックス)という総勢9人で新作は制作された。その結果、今作にはメンバーそれぞれが培ってきたものがストレートに反映され、実に色鮮やかな仕上がりとなっている。

TICOがパードン木村と作り上げた『TICPA STYLEE』の、崩壊一歩寸前の危ういバランスのなかに光るロマンチシズム、同じくTICOがプロデュースを手掛けた藤田陽子『あたいの涙』(内田直之も参加)のなかに漂う色香、SEIJI“BIG BIRD”、佐々木育真、春野高広、田鹿健太、そしてTICOと一同が揃ってサポートしたBreath Mark『太陽の人』で聴くことができるラフなバンド・サウンド……と、その精力的な課外活動が新作にもたらしたものは計り知れないものがある。もちろん、数多くの客演で知られる田村玄一のトンガった職人芸、日本が誇るダブ・マスターである内田直之の繊細な仕事ぶり、そしてHAKASEの軽やかな鍵盤捌きの素晴らしさはいわずもがな、だ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年05月29日 18:00

更新: 2003年06月05日 18:49

ソース: 『bounce』 243号(2003/5/25)

文/達磨 剣