モンスター・バンド、メタリカのデカすぎる胃袋!!
いまやモンスター・バンドと化したメタリカだが、バンド・メンバーそれぞれのルーツに捧げたカヴァー・アルバム『Garage Inc.』のクレジットを見れば、彼らの血となり肉となっている音楽的背景が確認できると思う。果たして、どんな要素がメタリカ・サウンドを形成しているのか? その源流を探ってみよう。
初期のメタリカには欠かせない圧倒的な速さは、モーターヘッドのスピードとディスチャージの破壊力を足したようなもの。その初期衝動まる出しの清々しさが美しい。メンバーのなかでもっともパンク/ハードコアに傾倒しているジェイムズ・ヘッドフィールドの野性味溢れる歌唱法は、アンチ・ノーウェア・リーグのアニマルを彷彿とさせるし、彼が以前よりラモーンズやミスフィッツのTシャツを愛用していることもファンにはよく知られているところ。ニュー・アルバム『St. Anger』のアートワークはパスヘッドが手掛けており、このあたりにもミスフィッツからの影響が感じられる。また、メタリカはブラック・サバスはもちろんのこと、英国産ハードロックの洗礼をモロに受けており、特に79年頃、ロンドンを中心に勃発した一大ムーヴメント〈New Wave Of British Heavy Metal〉なしに現在のメタリカは存在しないといっても決して過言ではない。ここからアイアン・メイデンやデフ・レパードが飛び立っていったことは周知のとおり。いくらビッグネームになろうと、お気に入りバンドのTシャツを着用し、カヴァー曲を演奏し、ロック・ファンであり続ける姿。アンダーグラウンド気質を忘れない姿勢に多くのリスナーは共感を覚えるのだ。METAL UP YOUR ASS!!
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