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インタビュー

メタリカ・ワールド、7つの扉

『Kill'em All』
Elektra(1983)
記念すべきデビュー作。〈New Wave Of British Heavy Metal〉の匂いを濃厚に漂わせつつ、ハードコア・パンクの刻印もくっきり。後にメガデスを結成するデイヴ・ムステイン在籍時の楽曲も収録されているが(今作には未参加)、クリフ・バートンの存在感がピカイチ。

『Ride The Lightning』
Elektra(1984)
以降のライヴ定番曲となった“For Whom The Bell Tolls”に顕著なように、ギター・リフの精度が上がったことによって全体のソリッドさが著しく向上。結果、現在に繋がる重厚なメタリカ・サウンドの原型が生まれることに。その切れ味はいまもなお衝撃的だ。

『Master Of Puppets』
Elektra(1986)
歴史的名曲“Battery”で幕を開ける傑作中の傑作。キャッチーにすら響く爆音リフ、ラーズとクリフによる隙のないリズム隊、カークのメロディアスなギター・ソロ……と、スラッシュ・メタルのお手本となった要素のすべてがここにはある。第一期メタリカがここに完成。

『...And Justice For All』
Elektra(1988)
クリフの事故死という悲運のためか、陰鬱な雰囲気に包み込まれた問題作。前作路線を期待していたファンにはそのあまりにも冷たい音質が賛否両論を巻き起こしたが、怒りと悲しみを叩きつけるかのような壮絶な“One”に涙しないものはいなかった。過渡期的なムードも。

『Metallica』
Elektra(1991)
ボン・ジョヴィなどを手掛けてきたボブ・ロックを迎えて制作された快心の一撃。前作以上にファスト・ナンバーが減り、その代わりにジェイムズの歌心が開花。〈モンスター・アルバム〉となるのも必然的な、キャッチーさを兼ね備えた一枚となった。

『Load』
Elektra(1996)
前作から5年ものブランクを経てリリースされた6作目。その間ひたすら過酷なライヴ・ツアーに明け暮れていた成果が、ドライヴ感満点のサウンドに見事に結実。初期とは異なる〈肉体性〉を手に入れたことで、楽曲のヴァリエーションも実に豊か。ハンパない大物感!!

『S & M』
Elektra(1999)
97年の『Reload』に続いて発表された、104人ものオーケストラとの組み合わせによる異色の共演ライヴ盤。新曲を交えながら、“Master Of Puppets”“Enter Sandman”といった代表曲を荘厳にリアレンジ。原曲の良さにあらためて……ってことよりも、これぞ大物の証。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年05月29日 11:00

更新: 2003年06月05日 18:49

ソース: 『bounce』 243号(2003/5/25)

文/大石 ハジメ

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