最強のネプチューンズ・ワークス、アレもソレも奴らのしわざだ!! その3
BEENIE MAN
『Tropical Storm』 Virgin(2002)前作『Art Of Life』での合体はまあまあだったが、二度目のビーニ&ネプは最高! ジャネットを迎えた“Feel It Boy”はラヴリーなメロの隙間にファンキーなリフを押し込んだ出来過ぎの曲。押しの強い“Bad Girl”も格好いい。クラップが印象的な“Boss-man”ではショーン・ポールとの邂逅も。
CLIPSE
『Lord Willin'』 Star Trak/Arista(2002)セルフ・レーベル発だけに気兼ねなく(?)やりたい放題が貫かれており、あの手この手で引き出し開けまくり! ほとんど例のドラムスと声だけでできている“Grindin'”は気がつくとアタマの中でグルグル回りまくる病みつきループ。こんな害毒が普通に大ヒットしてしまう世の中は最高だ。
LL COOL J
『10』 Def Jam(2002)シングル曲“Luv U Better”では濃密なメロメロ路線、“Amazin'”は甘いミネアポリス・ファンク風、と好トラックの連続。一方、スカスカな変態ミニマル“Nigga Nuts”で声色とフロウを変えて対応するLLも技アリな感じで、勝負はまったくの互角。初合体ながら、いきなり5曲を手掛けて当然の相性の良さです。
SEAN PAUL
『Dutty Rock』 VP/Atlantic(2002)ネプは“Bubble”1曲をプロデュース。超ヒット・シングル群の陰に隠れて地味なのは否めないが、遠くのほうで鳴っているトライバルなドラムスに珍妙な声ネタをあしらったループがメロディアス。うっすらとコーラスの合いの手を入れるファレルも妖しい魅力を発揮。これぞ彼らの真骨頂だ。
AIR
『Everybody Hertz』 Source/Virgin(2002)ダフト・パンクと並ぶ、異色/異国のクライアント。むせ返るような分厚いオーケストレーションを突き破ってポコピコ走り出す“Don't Be Light”を、穏やかに揺らぐダウンテンポにリミックス。幻想的なコラージュの妙を聴かせつつ、ネプチューンズらしい鳴りの美学はやはり強烈。
AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER
『Soundtrack』 Maverick/Warner Bros.(2002)ビヨンセ初出演映画のサントラゆえ、特記すべきは彼女の初ソロ曲“Work It Out”。一聴して地味めだが、カッティングを主体にしたシンプルなネプの音は、彼女の力強さを70'sソウルの味わいで包み込む。ファレルとのデュエットにリメイクされたブリトニー“Boys”もモア・エロで良し。
TLC
『3D』 Arista(2002)お得意の乱れドラムスをアタック優しめでメロウに聴かせる“In Your Arms Tonight”をプロデュース。才気走ってる時のダラス・オースティンや、マジでアブノーマルなティンバランドらと顔を並べれば、ネプチューンズの手掛ける曲がいかにノーマルでスタンダードな魅力を備えているかわかる好例。
BAD BOYS II
『Soundtrack』 Bad Boy/Universal(2003)新米の時期からバッド・ボーイ仕事を細々こなしてきたネプチューンズ。レーベルの巻き返し一発目にネプをド~ンと起用するP・ディディは策士だが、ディディ&レニー・クラヴィッツと絡みつつ、自分がいちばん目立つような“Show Me Your Soul”を提供したファレルもズルくて最高。