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インタビュー

MIGHTY JAM ROCK(2)

〈大事なもん〉をできるかどうか

 TAKAFINが「やっぱり歌を作るときにも現場で歌うときのことを考えてるから」と話すように、音源制作においても彼らはつねに現場という「遊び場であり、家であり、仕事場」(JUMBO MAATCH)を主戦場に活動を続けてきた。そしてその成果が、レゲエの魅力を存分に伝えつつも、抜群の破壊力を持った2枚のフル・アルバムとJTB各自のソロ・シングルに結実していたわけであるが、それらの音源は結果的にジャパニーズ・レゲエのシーンそのものを牽引していくことになる。JUMBO MAATCHは謙遜ぎみに「引っ張ってるかどうかはわからんよな。好き勝手やってるし」と話すが、彼らは間違いなく日本のレゲエ・シーンを先頭に立って盛り上げてきた。

「でも、まずは自分らのことをしっかりやっていくことが重要やから。レゲエが好きな人はなんでも聴くから、僕らはその部分的な要素ではあると思うんだけど、そこで〈大事なもん〉をできるかどうかが問題で」(BOXER KID)。

〈大事なもん〉――あまり海賊には似つかわしくないその表現は、同時にMJRのもうひとつの側面を表している。つまり、〈MJRらしさ〉にトコトンこだわる、ストイックなまでのミュージシャンシップ。そして、それをこれまででもっとも高いレヴェルで作品化したのが、メジャー・デビュー作となる彼らのニュー・アルバム『3 THE HARDWAY III』である。
 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年09月04日 17:00

更新: 2003年09月04日 20:39

ソース: 『bounce』 246号(2003/8/25)

文/大石 始