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インタビュー

MIGHTY JAM ROCK(4)

音楽をやる、っていうよりレゲエをやる

 ところで、今作に収録された3人による共演曲は2曲のみで、そのほかの全曲は3人それぞれのソロ曲となっている。そして、それは彼らの変わらぬスタイルでもある。

「出来上がるまで知らないんですよ、お互いがどんな曲を作ってるのか。出来上がってから〈ええっ、スゲェー!!〉って(笑)」(BOXER KID)。

「あんまり3人ばっかりを押したくないなっていうのはあるんですよ。ピンで呼ばれてもすぐできるし、誰かひとりがおらんかったらできへんって感じやったら、それは実力ないってことやと思うし」(JUMBO MAATCH)。

「それが俺らの特徴やし、長所やから」(TAKAFIN)。

 だからこそ――そう強く強調しておきたいが、個性的で並外れた能力を持った3人のDJがMJRの旗の下に集うことこそが重要なのだ。それぞれに切磋琢磨しながら、共にさらなるステップをめざす。そんなごく当たり前のグループのあり方が、MJRを特別なものにしているのである。「俺らがやってるのはダンスホールやから、まずはそれを全面に」(JUMBO MAATCH)という『3 THE HARDWAY III』からは、そんなMJRというクルーの魅力が圧倒的な迫力を持って押し寄せてくる。そして、そこにはレゲエのなんたるかの彼ら流の答えが書き込まれているのである。そこに「音楽をやる、っていうよりレゲエをやる、っていう感じですよね。それ以外できないから」(TAKAFIN)という愛すべきレゲエ馬鹿っぷりを聴きとることも可能であろう。

 ここ数年言われ続けてきた〈日本のレゲエは盛り上がっている〉というウワサ。JTBの3人はそれに対して「俺ら的にはずっと盛り上がってるんスけど」(TAKAFIN)といたって冷静ではあるが、その盛り上がりを支えてきたのがMJRだ。そして彼らがシーンに投下する新たな起爆剤『3 THE HARDWAY III』──シーンの、そして現場の〈熱さ〉をリアルに感じたければ、いまは絶対にコレだ。

▼MIGHTY JAM ROCKのメンバーの参加作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年09月04日 17:00

更新: 2003年09月04日 20:39

ソース: 『bounce』 246号(2003/8/25)

文/大石 始