インタビュー

ふたたび勢いを取り戻したレーベル、XLのここしばらく

 10年程前のXLといえば、プロディジー、SL2、T99らを擁してレイヴ印のハードコア・テクノ、ブレイクビーツをリリースしていた、しかも日本ではかなり下世話な印象のレーベルだった(それはそれで良かったのだが)。その後もジョニーLやイーボマンなど、ダンス・ミュージック・シーンに対して大きな影響力を持つ作品をリリースしていくわけだが、2000年以降はその姿勢にも変化が生じはじめている。ここ数年は、ひとつの色に染まることを避けるようにさまざまなタイプの作品を発表し、多くの新しいファンを獲得している。レモンジェリーやアヴァランチーズはその代表格といえるだろう。また他のレーベルからのライセンス作品も含め、もっともかつてのXLカラーと異なるのが、ホワイト・ストライプス、エレクトリック・シックスらのバンド組。こんなにもロックンロールしているアーティストがリリースされるとは数年前なら予想することすら難しかった。一方、本業のダンス・サイドでは、ベースメント・ジャックスを筆頭に、レイヨ&ブッシュワッカ、ディジー・ラスカルといった、現在シーンの最前線に立つアーティストたちが在籍している。そして来年早々にはプロディジー久々のニュー・アルバムも……ということで、当分XLの勢いは止まりそうにない。

▼XLがリリースした近作。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年11月06日 11:00

更新: 2003年11月06日 17:27

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/青木 正之