インタビュー

象男が新作で乗りこなしているリディムもチェックしてみようぜ!!

 次々と新たなるリディムが発明され、ヒット・リディムとなると膨大な数の7インチ・シングルがドロップされるジャマイカのダンスホール・レゲエ・シーンだが、手付かずのブランニュー・リディムが最初に与えられるのはある程度ヒットを約束されたビッグ・アーティストが中心。そうした意味で、ここしばらく絶好調をキープし続けているエレファント・マンに対しては最新の、そして最高のリディムが与えられ続けているのもまた当然の話だ。

 まず、今作のタイトルにもなっているリディム〈Good To Go〉は“Bun Down”にて使用。ドノヴァン“ヴェンデッタ”ベネット制作による、アコースティック・ギターのカッティングが心地良い大ヒット・リディムだ。また、“Pon De River, Pon De Bank”に並ぶビッグ・チューン“Signal De Plane”で使用されている〈Mayday〉リディムを手掛けているのもドノヴァンで、いままさにノリにノッているこの若手プロデューサーとエレの組み合わせはとにかくヤバいの一言だ。“Bad Man”で使用されている〈Fiesta〉はデイヴ・ケリー制作によるヒット・リディムで、スティールパンのループとイケイケのビートとの組み合わせが技ありの一発。そのほかにも“Jamaica”ではトロイトン制作による〈Surprise〉を、“Who U Think U Is”では過去何度となくリメイクされてきた定番リディム〈Ba Ba Boom〉を……と名リディムの宝庫である『Good 2 Go』。もちろん、〈Gallop〉を使用した“Fan Dem Off”のなかでサヴァイヴァー“Eye Of The Tiger”のフレーズを忍び込ませたりするエレの遊び心溢れるDJイングがあってこそ、それらのリディムが光り輝いているのは言うまでもないことなんだけども。


〈Good To Go〉のワンウェイ『Good To Go』(Greensleeves)


〈Surprise〉のワンウェイ『Surprise』(Black Shadow/VP)


サヴァイヴァーの82年作『Eye Of The Tiger』(Volcano)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年01月15日 16:00

更新: 2004年01月15日 17:31

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/大石 始

記事ナビ