スクービードゥー(3)
単純に俺らが聴いて興奮するもの
音源がイイって言わせたい――そんな意志を具現化していくにあたって、彼らはメンバー4人以外の音、声をも呼び寄せることとなった。BLACK BOTTOM BRASS BAND、マルコス・スザーノ、東京スカパラダイスオーケストラ、CENTRAL、Leyona(笑い声まで収められちゃってます!)……。
「今回は4人だけで成立させようとかって全然思ってなくて。でも、最初っからゲストを多くしようという作り方じゃなかったから、とってつけた感じにはなっていない、必然的にある感じだと思います。〈音源として良いもの〉って意識すると、必然的にメロウなホーンが欲しいとか、ライヴ感のあるオルガンが欲しいなとか出てきてしまって。で、それを無理に自分たちだけでやろう、たとえばメンバーがオルガン弾けるからそうしようじゃなくて、ちゃんとプロの人にやってもらうというか、俺らも刺激を受けたいし、呼べるモノはすべて呼んでみようみたいな。結果としてすごくいいものになったなあと思ってます」(マツキ)。
「単純に俺らが聴いて興奮するものが出来るのであれば、俺らの盤として出せるものだと思うし……うん、なんかそういうのもおもしろいかなって。音源だったらこれからももっといろいろできそうな気がするんですよ。ダンス物を作っちゃうとか、DJの人と組んだりとか。でも俺らは普通にライヴハウスでもライヴやっちゃうし、みたいな。自分が聴く立場だったら単純に興奮すると思うんですけどね」(コヤマ)。
〈音源として良いもの〉という漠然とした目標に向かって作られた『Beautiful Days』。作品を聴くかぎり、メンバーの目論見は見事成功に至ったと断言してもよいだろう。とにかく『Beautiful Days』は、これまでの作品以上に〈聴く場所を選ばない〉作品だ。
「そうですね。それは結構意識したかもしれない。前作の『BREAK ROCK』は、覚悟がいる感じというか、押しが強い感じがして、リラックスして聴けないところもあったかなって気もするんですよ。『Beautiful Days』は、もちろん押しの部分もあるんだけど……なんだろう、たとえば歌詞を耳に入れないつもりで聴いても全然聴けちゃうし、歌詞を咀嚼して聴こうと思ったらそういう聴き方もできるし、それこそドライヴしながら聴いても心地いいだろうし……」(マツキ)。
「ホント、今回はわりと素直にイイって言ってくれる人が多いというか、それってどこまでが本音なのかわからないですけど(笑)。ある人から、タフだけどしなやかな感じがするっていう感想を言われたんですけど、それっていい表現だなあって。強いモノを作りたいけれども、ただ強いだけとかただただ熱いだけっていうのはかっこよくないなというか、スキルとスピリットを兼ね備えているものが俺はいちばんカッコイイと思ってますから」(コヤマ)。
▼『Beautifl Days』に参加したアーティストの作品の一部を紹介。
- 前の記事: スクービードゥー(2)
- 次の記事: スクービードゥーの誕生とこれまでの歩み
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2004年07月29日 12:00
更新: 2004年08月19日 23:51
ソース: 『bounce』 256号(2004/7/25)
文/久保田 泰平