インタビュー

『Beautiful Days』収録曲をさらに楽しむためのもう一枚

愛がゆく
夜の不穏な空気を破るようにゆっくりと立ち上がるギター・リフ。ミーターズばりのサザン・ファンクとルーズなレゲエのリズムがコヤマシュウのブルース・ハープ・ソロでひとつに結ばれ、2004年屈指のブルーズ名盤が幕開ける。

ラスト・ナンバー ~Beautiful Dawn~
駆け上がるようなピアノに導かれ、ライド・オン・タイム! 西湘のメロウな風が吹き抜けるシングル曲のアルバム・ヴァージョン。BBBBホーンに加え、CENTRAL中野泰而のパーカッション、高野勲の鍵盤をフィーチャーし、室温は急上昇。

パレード
高校時代にその音楽と出会ったという和モッドのヒーロー、スカパラ・ホーンズとの念願叶った10年越しのソウル・セッション。突き抜けたドライヴ感とその誇らしげな響きに思わず両手が高く挙がってしまう。


SKA FLAMESの95年作『DAWN GOD』(東芝EMI)

名もない朝
SKA FLAMESがそうであるように、日本男児は黙ってスカを演るべし。だからこそ、利いてくるオーセンティックなフィーリングがここにもある。ブルー・ビートって、やっぱりブルーズだよなぁ。

Urban Souls
ロック・バンドの隠れたディスコ・クラシックというとホリーズの“Draggin' My Heels”が思い出されるけど、この曲もディスコ・リズムで街を行くアーバン・ファンクスターのための最高な1曲だ。

Beautiful Days
アグレッシヴなベースラインと直線的なドラムの高速なファンク・リズムにサザン・ロッキンなホーン・ブロウ。そこで花咲くコヤマシュウとLeyonaのデュエット・ヴォーカルは現代のデラニー&ボニー!? 熱いです!!

美しい日
気のせいか、コヤマシュウとLeyonaが今度はスティーヴィーとシリータに聞こえたりもする!? 頭上からは強い日差しが照りつけているのに気分は晴れやかで涼しげな、スクービーのアコースティック・メロウな休日。

無敵のバカ
躍動感、きらめき、胸キュン度、そのどれをとっても文句ないハート・オブ・ソウルな正真正銘のヤング・ソウル・チューン。メンバー全員がマイクに顔を集めてる様が浮かんでくる後半のコーラス&ハンド・クラップがイカしてます。

恋は魔法
ジャガー&リチャーズな8ビートど真ん中の王道ロックンロール・ナンバー。ホンキートンクなピアノ&ホーンをフィーチャーし、繰り出される痛快爽快なギター・リフ、そしてコヤマシュウのブルース・ハープを聴け!

風の恋人~Sunset Saudade~
ひょんなことから音源がブラジルに渡り、マルコス・スザーノ&パウロ・セザール・ゴメスとのセッションを経て、風景がメロウな秋の浜辺から、日没間近の夏の浜辺へ様変わりしたシングル曲のアルバム・ヴァージョン。

夕陽の進むほう
リズム隊をバックに歌うコヤマシュウ。そこにじわじわとギター、パーカッション、ホーンが絡み、体温を上げてゆくスクービー流オーガニック・ソウル。押すだけでなく引いてもみせる(レディー)キラー・チューンだ。

茜色が燃えるとき
イントロのジャジーなギターとヴァイオリンにジャンゴ・ラインハルトの幻影がよぎるも、それを振り切って、ただただ走る高速スピリチュアル・ジプシー・ファンク。彷徨する魂は、果たして、日没に間に合うか?

また逢う日まで
ダニー・ハサウェイが登場してきそうな宮川弾による最高にドリーミーなストリングスに抱かれ、身も心も熱く、スウィートに溶けてゆくソウル・バラードの名曲がここに誕生。終わらないで欲しいけど、そのはかない美しさが胸を打つ最高のエンディング。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年07月29日 12:00

更新: 2004年08月19日 23:51

ソース: 『bounce』 256号(2004/7/25)

文/小野田 雄