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インタビュー

The Prodigy

時代の寵児となったプロディジー、実に7年ぶりのニュー・アルバムがいよいよ姿を現す。その圧倒的なアグレッションはふたたび世界をロックするはずだ!!

あの~、アルバムはそろそろ出来そう?


 レイヴ・カルチャーの申し子、プロディジー。最初のアルバム2枚、『Experience』と『Music For The Jilted Generation』でレイヴの狂気じみた世界をアグレッシヴなビートに乗せてぶちまけ、見事全英を制覇。そして、3作目となる前作『The Fat Of The Land』では、ダンサーのひとりだったキースをフロントマンとして押し出し、キースのその奇抜な出で立ちとロック寄りの直接的なアプローチも功を奏して世界的にブレイク。あれから待たされること早7年、アルバム・タイトルからして自信の漲る新作『Always Outnumbered, Never Outgunned』がようやく完成した。

「とことん満足しているよ。よりストリートで、もっと荒削りなアルバムだと思う。前と同じことはしたくなかったから、よりファンキーでセクシーな要素も入っている。そして、もっとハードで、いままででいちばんパンク・ロックなものができたと思う。アルバム・タイトルは俺たちプロディジーがめざしていることを表してるんだ。プロディジーは小さなユニットだけど、常に大きなパワーを持っている、という意味。いままでの蟻のロゴなんかもそうだけど、小さいものが大きなエネルギーを持つということがプロディジーなんだ。そして、〈We are back!〉という宣言でもある」(リアム・ハウレット:以下同)。

 前作リリース後は2年間もツアーに明け暮れ、オフを挟んで2001年にはスタジオに入ったようなのだが、アルバム完成までには相当な紆余曲折があった様子だ。

「スタジオに入ってからが自分との戦いだった。新しい音や自分自身が刺激を受けるサウンドがなかなか生まれてこなくてね。良いと思える曲は出来るし、周りの人もリリースを勧めてくれたけど、どうも自分では納得がいかなかった。そんななかで2002年にシングル“Baby's Got A Temper”を出したんだ。みんなで話し合った結果だったけど、このリリースで目覚めた。〈ああ、自分がやりたいのはこれじゃない〉ってね。それで、すでにレコーディングを終えていた6曲も、作っていたデモも全部捨てて、1から制作に取り組んだ。それが去年だからこのアルバムは1年で作っているんだよね。作っているほうとしてはそんなに時間が経った感じはしなかったんだけど、レコード会社は長く感じてたみたいだよ(笑)。でもありがたいことに、XLはオレのやりたいこと、ヴィジョンを理解してくれた。よくある締め切りの催促はまったくなかったからね。やっと2002年あたりで〈あの~、そろそろアルバムは出来そう?〉って初めて訊かれたんだ(笑)」。

SAGITTARIUS 『Present Tense』 Columbia(1968) シメの“Shoot Down”のブレイクで爽やかにループされるのはサジタリウスの“My World Fell Down”! ゲイリー・アッシャーのポケット・シンフォニーがこんなに凄惨な……。


SHOCKING BLUE 『The Best Of Shocking Blue』 Red Bullet “Phoenix”のスカスカなリフはショッキング・ブルー“Love Buzz”の弾き直し! 歌メロもそのままで、ほとんどカヴァー状態。そういやニルヴァーナも……。

KOOL KEITH 『Thee Undatakerz』 Activate(2003) リアムのウルトラ好きが高じてか、クール・キースのみ再登板。“Wake Up Call”などに声ネタ的な登場をしてますが、7年前からスタンスが変わらんのも凄い。

OASIS 『Heathen Chemistry』 Big Brother(2002)“Shoot Down”のヴォーカルは、〈リアム共演〉が噂になっていたオアシスのリアム・ギャラガー。最終的にはノエルもベースで参加しています。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年08月19日 12:00

更新: 2004年08月26日 16:00

ソース: 『bounce』 256号(2004/7/25)

文/青木 正之