インタビュー

コンヴァージを生み出したボストンのハードコア・シーン

 USのハードコア・シーンにおいて、ボストンは紛れもなく聖地の一つである。ワシントンDCで巻き起こっていたムーヴメントに感化されるような形で、80年代前半にはSSD、DYS、FU'S、ギャング・グリーン、フリーズなど、シーンの歴史を語るうえでは欠かせないハードコア~パンク・バンドが数多く現れた。そんな当時のシーンを顕著に表している歴史的オムニバスこそ『This Is Boston Not L.A.』。現在は入手困難なアイテムとなっているので、ぜひともリイシューしてほしいところ。80年代中盤~後半になるとスラップショットや、後にポップ・フィールドで成功を収めるレモンヘッズなどが活躍するも、シーンはこぞってメタル・サウンドへ転換。さらに90年代にかけてはディープ・ウォウンドから派生したダイナソーJrやピクシーズなどオルタナ・バンドの台頭により、一時期ボストンのハードコア・ムーヴメントは落ち着いたかのように見えていたが、中盤以降には80年代からの真摯な精神を受け継ぐベーン、テン・ヤード・ファイト、フロアーパンチ、リーチ・ザ・スカイ、ギヴ・アップ・ザ・ゴーストなど、素晴らしいバンドが続出。さらにケイヴ・インやアイシスなど、ハードコア魂はそのままに幅広い音楽性を持ったバンドも新たなシーンを築きはじめた。なにはともあれ20年以上という月日の間、ボストンの中でハードコア・スピリットはずっと呼吸をし続けているのだ。

▼文中に登場するバンドの作品を一部紹介。


SSD『Power』(Taang!)


FU'S『Do We Really Want To Hurt You』(Restless)


ギャング・グリーン『Preschool』(Taang!)


レモンヘッズ『Hate Your Friends』(Taang!)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年10月07日 12:00

更新: 2004年10月14日 17:51

ソース: 『bounce』 258号(2004/9/25)

文/小林 英樹

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