インタビュー

映画のなかのセウ・ジョルジ

 この夏には日本での公開も決まったビル・マーレー主演のハリウッド映画「ライフ・アクアティック」に出演し、俳優としての知名度も急上昇中のセウ・ジョルジ。水中で展開されるこのコメディー映画のなかで彼は潜水艦の多国籍乗組員のひとりであるペレを演じ、劇中ではデヴィッド・ボウイの代表曲をギターの弾き語りで披露している。俳優でありミュージシャンである彼の魅力を堪能できる一挙両得な作品だ。

 そんなジョルジのハリウッド進出の決め手となったのは、やはり映画「シティ・オブ・ゴッド」での名演だろう。家族の命を奪われ、その復讐のためにバスの運転手からギャングへと転身する悲運を背負ったマネを演じ、複雑な心の機微を見事に表現した。その後、音楽ドキュメンタリー「モロ・ノ・ブラジル」にも出演。今作で彼は自身がかつてストリート・チルドレンだった事実を語っている。若い頃からのそんな苦労や経験が彼の演技や歌に深みを与えているのは間違いない。持ち前のハングリー精神に加え、ますます脂が乗ってきた音楽活動との相乗効果によって、俳優としてもスケールアップしそうなセウ・ ジョルジ。彼の今後から目が離せない!
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掲載: 2005年03月17日 12:00

更新: 2005年03月17日 15:46

ソース: 『bounce』 262号(2005/2/25)

文/長屋 美保