セウの音楽世界を知るために聴いておきたい、ソウルフルな男汁が滴る厳選6枚
SEU JORGE 『Carolina』 Mr.Bongo(2002)
現在入手困難となっているデビュー作『Samba Esporte Fino』だが、このタイトル違いのUK盤は比較的入手しやすいのでご安心を。〈サイバー・スウィングなブラック・ミュージック博覧会〉とでも呼べそうな洗練と土臭さのバランス感覚が絶妙!なヒップホップ・サンバ・ファンク??
THE LIFE AQUATIC WITH STEVE ZASSOU 『Soundtrack』 Hollywood(2004)
このページのコラムでも紹介している新作映画のサントラ。“Starman”“Rock N' Roll Suicide”など、ジギー時代のデヴィッド・ボウイ・ナンバーを『Cru』の世界観にも通じるミニマルなアコースティック・サンバ編成で大胆カヴァー。アブない光を放つ黒さに昇天!
JORGE BEN 『Africa Brasil』 Mercury(1976)
ヒップホップからファンク、サンバ・ソウル系まで多くのミュージシャンたちに絶大な影響を与えているのがこの人(現在はジョルジ・ベンジョールに改名)。サンバにも通じる日常に根差した歌詞と、あらゆる〈クロい音楽〉を丸呑みする強靱な胃袋は、まさにセウ・ジョルジのルーツ。
MARCELO D2 『A Procura Da Batida Perfeita』 Sony Brasil(2003)
ファロファ・カリオカを脱退したセウ・ジョルジが一時加入していたのがリオのヒップホップ・バンド、プラネット・ヘンプ。そんなわけでバンドのリーダー、マルセロD2のこのソロ作にもゲスト参加。ちなみにセウはD2の娘さんの名付け親でもあるそうで。
PEDRO LUIS E A PAREDE 『Astronauta Tupy』 Warner Brasil(1997)
シンプルなサンバ楽器でいかにロックでソウルでファンクな質感を出せるか。そういう意味で、ペドロ・ルイス&パレージとセウ・ジョルジのめざす地平は意外と近いところにあるのかも。ビール樽までもガンガン叩きまくって〈打楽器化〉する自由奔放な発想に脱帽。
BOATO 『Abracadabra』 Warner Brasil(1998)
サンバ・ファンクのファロファ・カリオカとミクスチャー・ファンクのボアト。デビューもほぼ同時期で、コミカルな演劇性の高さという点でもがっちりとリンクする。ファロファのライヴにこのバンドがオープニング・アクトで出演しているのを目撃したときは妙に納得したもんです。
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2005年03月17日 12:00
更新: 2005年03月17日 15:46
ソース: 『bounce』 262号(2005/2/25)
文/佐々木 俊広