インタビュー

ゴリラたちを仕切ったネズミって?

 ジェイ・Z『The Black Album』のアカペラをビートルズ〈White Album〉を元にしたビートとブレンドした『The Grey Album』が話題を撒き、GQ誌の〈Men Of The Year〉に選出……と、いかにもスノッブ小僧(デーモン君)の好きそうな経歴を持つデンジャー・マウス。アトランタ出身の彼は2000年にペリカン・シティ名義で『Rhode Island』を放ち、以降は盟友ジェミナイのDJを務めていた。飛び道具的な『The Grey Album』のせいで誤解されがちだが、タイトなドラムと壮大なウワネタを駆使した彼のトラックメイキングは極めてオーセンティックで、もっと言えばポップなものでもある。レックスのコンピ『Lexolium』に参加後、ジェミナイとのコンビで放った傑作『Ghetto Pop Life』はアイデアと機知に富んだサンプリングの産物だったし、それは全面プロデュースを手掛けたプリンス・ポー『The Slickness』でも同様だった。今年に入ってからはセージ・フランシス“Gunz Yo”、バスドライヴァー“Cool Band Buzz”(最高!)にビートを提供し、ゴリラズに先んじてはヴァーヴのリミックス企画にも参加。この後はMFドゥームとのタッグ=デンジャー・ドゥームも控えているし、皮肉なことにジョン・レノンのリミックスを手掛ける予定もあるそう。より広範囲でのブレイクもすぐそこでしょう。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年05月12日 12:00

更新: 2005年06月02日 18:39

ソース: 『bounce』 264号(2005/4/25)

文/出嶌 孝次

関連リンク