インタビュー

別格の存在感を放ち続ける魅惑の帝国――その歩みをゆらゆらっと巡ってみよう!

『3×3×3』 ミディ(1998) 約10年に渡る中央線闇地下ライヴ・シーンでのダークで重たいサウンド実験を経て、現在のラインナップとなって突き抜けた軽快なロックを放ちはじめたメジャー・デビュー作。圧倒的に狂ったノイズ&センチメンタルな歌の登場に地上シーンは話題騒然に。

『ミーのカー』 ミディ(1999) かなりマニアックなロック・サウンドに満ち溢れ、ヴァラエティーに富んだ一枚。美メロで切なさを募らせたり、轟音ギターですべてを台無しにしたり、25分以上続くタイトル曲ではサイケデリック宇宙旅行に誘ったまんま帰還不可能にさせられたり。

『太陽の白い粉』 ミディ(1999) いきなり太陽の光がキラキラと輝くような、爽やかなラヴソングから始まるミニ・アルバム。〈ストレートでガレージなロック・バンド〉という安易なイメージだけでは到底捉えきれないってことを示す、一筋縄ではいかないアイデア満載の好曲が5つ。

『ゆらゆら帝国3』 ミディ(2001) それまでのゆらゆらサウンドの完成型とも捉えられる、比類なきスケール感とキラキラしたポップ感と王道感すら漂わせるこのアルバムで、彼らが唯一無比の存在であり、他の追随を許さぬ日本で最強のロック・バンドであることを知らしめた。

『ゆらゆら帝国のしびれ』 ミディ(2003) シンセ・ドラムに女性コーラス、ヘンなリズムや音が勝手にうろつき回る、音数を絞ったスカスカで無表情な歌の数々。前作までのイメージを覆す、熱いのか寒いのか、楽しいのかつまらないのか、そんな境界線すらもすべて無意味にする衝撃作。

『ゆらゆら帝国のめまい』 ミディ(2003)〈しびれ〉と同発された、〈爆音ロック〉サイドと共にゆらゆらサウンドの大きな特長&魅力である〈センチメンタルな歌〉サイドを強調した美メロ盤。感情に流されることのない孤独な視点から歌われる儚さを湛えた物語の数々の美しさに、心の中で号泣させられる。

『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』 ミディ(2003) 凝った音作りの〈しびれ〉〈めまい〉収録曲が、この凄まじきライヴ盤では凶暴すぎる音圧・音像と崇高さすら感じさせる圧倒的な生のサウンドによってプレイされている。日本で最強のライヴ・バンドであることを証明した一枚。

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掲載: 2005年05月26日 11:00

更新: 2006年08月11日 19:50

ソース: 『bounce』 264号(2005/4/25)

文/ダイサク・ジョビン

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