インタビュー

Miho Hatoriのヒップでポップな歩みを知るための4枚

CIBO MATTO 『Viva! La Woman』 Warner Bros.(1996)
とんでもない才能が現れたという噂が駆け巡り、鳴り物入りで登場したチボ・マット。プロデュースは、手掛けたものはすべて名作に仕立て上げるミッチェル・フルーム&チャド・ブレイクのコンビ。例に漏れず本作もまた名盤に。キュートな名曲がたんまりだが、なかでも“Sugar Water”という可憐な花が光る。CMJチャートのNo.1も獲得。

BUTTER O8 『Butter』 Grand Royal/Capitol(1996)
ブルース・エクスプロージョンのラッセル・シミンズ、スケルトン・キーのリック・リーらと組んだバンドの、グランド・ロイヤルからリリースされたデビュー作。ガレージでジャンクなミクスチャー・ロックを自由気ままなポーズで披露する、なんとも酔狂な集団で全員センス良すぎ。本田ユカのクールでマッドなキーボード・ワークも光りまくり。

CIBO MATTO 『Stereotype A』 Warner Bros.(1999)
〈サンプリング〉〈パンキッシュ〉〈ジャンルレス〉といったキーワードが書かれたカードを並べ直し、バンド・アンサンブルを意識した音作りをめざした2作目。ファニーでストレンジでオルタナでありながら、ど真ん中なポップ・ミュージックに仕上げたところが見事。またも名曲揃いなのだが、なかでも“Moonchild”というエレガントな花が光る。

Smokey & Miho 『人間の土地』 GUT/フォーライフ(2003)
バーデン・パウエル&ヴィニシウス・ジ・モラエスの『Os Afro Sambas』が2人を繋げた。ベック・バンドのギタリスト、スモーキーと共にブラジル音楽をバッグに入れて新たな旅を始めたMiho Hatori。「そんなに上手くボサノヴァを歌えるわけじゃないけどね」と言っていたが、日本語曲“Summer Rain”でのしっとりとした光り具合はどうか? 最高だ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年11月17日 15:00

更新: 2005年12月01日 18:34

ソース: 『bounce』 270号(2005/10/25)

文/桑原 シロー