苦節10年……アンソニーがソウルを注ぎ込んだヴィンテージな名演の数々
ANTHONY HAMILTON 『Comin' From Where I'm From』 So So Def/Arista(2003)
ジャーメイン・デュプリのサポートも受け、自身の魂をここぞとばかりに噴出した初アルバム。客演で印象づけてきた旨みたっぷりのノドを思う存分鳴らすアンソニー……この瞬間を待っていた!(佐藤)
TWISTA 『Kamikaze』 Atlantic(2004)
ビル・ウィザーズ“Lovely Days”ネタでアンソニーの歌……というだけでハマりすぎな“Sunshine”収録。ソフトながら深みのある歌声でアプローチしてくる彼のフックが、曲のムードをさらに盛り上げている。温かい聴き心地が良い。(佐藤)
NELLY 『Suit』 Fo'Reel/Universal(2004)
チープなビートと、アンソニーの歌で一気に華やかになるフックの鮮やかなコントラストが肝な“Nobody Knows”を収録。メロウ曲揃いの今作中で、歌声ひとつでその存在をアピールできる彼だからこそ可能なアレンジだろう。(佐藤)
ANGIE STONE 『Stone Love』 J(2004)
アンジー姐さんの懐に抱かれながら、噛み締めるように感情を吐露していくアンソニーのヴォーカルが実に染みる“Stay For A While”を収録。ゆったりとフォローし合いながら美しく調和していく両者の声は相性抜群です。(佐藤)
YING YANG TWINS 『U.S.A. (United State Of Atlanta)』 Collipark/TVT(2005)
ここではネタ元のアル・グリーンへ憧憬の念を送るかのような真摯な歌声で“Long Time”を披露。つられてインヤン兄弟も若干マジ顔? 本作のソウルフルな側面を代表する逸曲となっている。(佐藤)
MIRI BEN-ARI 『The Hip-Hop Violinist』 Universal(2005)
引く手数多なヴァイオリン奏者の本作には2曲参加。特にスカーフェイスも交えた“Sunshine To The Rain”は晴れやかなオケに合った伸びやかな歌声が清々しい。跳ねるヴァイオリンも歌を引き立てる。(佐藤)
BUDDY GUY 『Bring 'Em In』 Silvertone(2005)
ブレイク後は越境共演も急増したアンソニー。ブルースの巨人が豪華ゲストを招いて作り上げたこの最新作では、ボブ・ディランの甘いカントリー曲“Lay Lady Lay”をスモーキーな歌い口で渋く加熱調理している。(出嶌)
SANTANA 『All That I Am』 Arista(2005)
豪華ゲストが詰めかけた話題作にて、“Twisted”のヴォーカルを担当。御大のエロいギターとも相性の良い土臭ヴォイスが冴えた佳曲となっている。執拗なギター・ソロとアウアウ掛け合うようなアドリブもよろしい。(出嶌)
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2006年01月02日 17:00
更新: 2006年02月09日 20:47
ソース: 『bounce』 272号(2005/12/25)
文/佐藤 ともえ、出嶌 孝次