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インタビュー

ベン・ハーパーと同じ空気を紡ぎ出すアーティストたち!

 ライヴを観るとベン・ハーパーがボブ・マーリーの生き写しのように思える時がある。かつてはボブのトリビュート・ライヴにも出演経験のあるベンだが、ボブの音楽の背後に横たわるアメリカ黒人音楽の歴史もグイッと引き寄せるそのやり方は、数多のボブ・フォロワーとは異なる力強さに溢れている。その意味では、ボブの黒いフィーリングをヒップホップなどと融合する形で表現してきたマイケル・フランティ(スピアヘッド)とも通じるところがあるはず。また、ベンも出演したことのある〈ボナルー・フェスティヴァル〉には、アーシーなルーツ・ロックを21世紀なりのやり方で表現するという意味でベンと共通するスタンスを持つアーティストが数多く出演してきた。トレイ・アナスタシオやロバート・ランドルフをはじめとするジャム・バンド勢、またノラ・ジョーンズやジョン・バトラーなどなど……なかでも、人脈的にもカブっているクリス・ロビンソン(ブラック・クロウズ)のソロ作は、ルーツ・ロック的なドロ臭さを放つシンガー・ソングライター作品としてベンと通じるところも多い(クリスのワイフも女優さんだし)。ちなみに、上記の面々を聴いていてたびたび思い出されるのが、ビル・ウィザースの影。黒くも白くもあるその音楽性は、ベンにも多大な影響を与えているはずだ。
▼関連盤を紹介。


スピアヘッドの97年作『Chocolate Supa Highway』(Capitol)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年04月06日 16:00

更新: 2006年04月13日 19:22

ソース: 『bounce』 274号(2006/3/25)

文/大石 始