インタビュー

T.I.周辺のアーティストからキーワードまでを紹介

【ATL】 アトランタの略称。T.I.らが主演し、クリス・ロビンソンが監督した映画のタイトルでもある。3月末より全米公開中で、ダラス・オースティンやT・ボズ(TLC)らがつるんでいたティーン時代を描いた内容らしいが……日本公開はないのかね、また。

【DJ TOOMP】 アトランタのラジオ局〈97.5〉にてDJを務め、T.I.のプロデューサーとしてようやく名が知られてきたDJトゥーンプだが、初期リル・ジョンをサポートしていたり、実際は15年近くのキャリアが確認できるヴェテランである。近年だとリュダクリスの“Two Miles An Hour”をはじめ、パスター・トロイやボーイズン・ダ・フッドをプロデュース。93年の時点で別掲のP.A.をプロデュースしており、T.I.と会ったのも恐らくP.A.を通じてだろう。

【KEITH MACK】 T.I.の新作で“Live In The Sky”など数曲のプロデュースに抜擢されていて、コイツ誰?と思ったら、かつてリュダクリスの“Act A Fool”を手掛け、チンギーの大名曲“Balla Baby”でも記憶されるリル・マックことキース・マックマスターズのことだった! 話が細かすぎる? でも、いつまでもジャスト・ブレイズとかスウィズにしか言及されないほうがヘンじゃない?

【KHAO】 『Urban Legend』からグランド・ハッスル入りしたアラバマの職人。T.I.以外でもリル・キム“I Know You See Me”やポール・ウォール“So Many Diamonds”を手掛ける有望株。サウス的な粘りのあるトラックが魅力的だ。

【LIL' FLIP】 ヒューストンが生んだ〈キング・オブ・サウス〉。いろいろあってT.I.との諍いが勃発、一時は一触即発の状況になっていたが、昨年ようやくビーフ解消……と思いきや、T.I.は新作中の“I'm Talkin' To You”であきらかにフリップを挑発! これにフリップはどう応える? ちなみに彼の新作は現時点で7月まで延期って……。

【P.A.】 オーガナイズド・ノイズの分家のような立ち位置で活動してきたアトランタのプロデューサー集団/ラップ・ユニット。メンバーのKPはラフェイスのA&Rを務めながら90年代後半にゲットー・ヴィジョンを設立し、ヤングブラッズを表舞台に出している。それに続く新人ラッパーがT.I.(当初はT.I.P.)だった。T.I.の最初期録音として残されているのが、P.A.の“Down Flat”である。

【PSC】 T.I.みずから率いるクルーで、正式名称はピンプ・スクワッド・クリック。今回の『King』では出番がないものの、ビッグ・カントリーやエクスタシー、ラシャッドらはソロ・アルバムのリリースも控えているそう。また、グランド・ハッスル所属アーティストという点ではヤング・ドロー、DJドラマ、ガヴァナーのアルバムも近々リリース予定とのこと。

【TINY】 ジャーメイン・デュプリに見い出されて93年にデビューしたエクスケイプのメンバー。その活動休止後はキャンディと並んでソングライターとして活動。その後、T.I.の彼女だと判明し、現在は彼のベイビーズ・マザーでもある。しかし、彼女のデビュー時にT.I.は12歳だから……魅力的な女性なのだろう。

【TRAP MUZIK】 ○○○の取引場所を指す〈トラップ〉〈トラップ・ハウス〉から転じて生まれたと思われる言葉。T.I.やヤング・ジーズィ~ボーイズン・ダ・フッドらが好む重心の低いスロウ・バウンスが何となくそう呼ばれるようだが、特定のビートというより、それほどドープな音だぜ!という程度の意味だと思われる。

【UGK】 テキサス州ポートアーサーから登場した南部最高のラップ・デュオ。90年代は不当な評価しか得られなかったが、片割れのピンプCが服役している間にバンBが膨大な客演をこなし、その偉大さが再認識された。ピンプCが出所したこともあって、今年中には久々のデュオ作が登場しそうだ。


UGKの94年作『Super Tight...』(Jive)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年05月04日 19:00

更新: 2006年05月11日 19:25

ソース: 『bounce』 275号(2006/4/25)

文/出嶌 孝次

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