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インタビュー

それぞれが刻んだ10年の音盤史 その1

1. THA BLUE HERB 『STILLING, STILL DREAMING』 REAL LIFE(1998)
2枚の12インチを経て放った初のアルバム! 〈北〉の勢いをギラギラと表明する“ONCE UPON A LAIF IN SAPPORO”から、メランコリックな“あの夜だけが”まで、鋭敏な感情を剥き出しにした青の時代の結晶だ。

2. 『ONLY FOR THE MINDSTRONG』 THA BLUE HERB RECORDINGS(2001)
レーベルからの第1弾CDとなったコンピ盤。TBHの代表曲とされることも多い前年のシングル“時代は変わる”を筆頭にエレクトロニカ風の名曲“ANNUI DUB”、O.N.Oの雄弁なインスト・ソロ曲などが粒揃いだ。

3. THA BLUE HERB 『FRONT ACT CD』 THA BLUE HERB RECORDINGS(2002)
重たい“TRANS SAPPORO EXPRESS”、ファンキーで小気味良い“A SWEET LITTLE DIS”など、ビートの進化ぶりが楽しめる3曲入りのEP。ただ、見事に話題を撒いたのは後者のリリックだったわけで……。

4. THA BLUE HERB 『SELL OUR SOUL』 THA BLUE HERB RECORDINGS(2002)
最高のフロント・アクトに続いての2作目。O.N.Oのビートが簡素ながらも変則的なものに深化し、BOSSのライミングとズレながら絡むTBH独特のノリはここで確立されたか。“天下二分の計”や大曲“路上”を収録。


5. Shigam 『beauty』 Jar-Beat(2002)
O.N.Oと柴田一郎(ゆらゆら帝国)、asa、SAD-HEROの4人が結成したリズム・オリエンテッドなプロジェクトの初作。妖美なジャケそのままにサイケなビートの交錯が極彩色のトリップを誘う過激なユル盤だ。

6. 刃頭 『The NEWBORN』 Pヴァイン(2002)
ILL-BOSTINOを名乗ったBOSSが名古屋の最狂音術師と邂逅。当時は意外な共演だとされた“野良犬”は、互いに尻尾を振らない獣同士のガチンコなぶつかり合いが格好いい。また聴いてみたい顔合わせだ。

7. O.N.O. 『six month at outside stairs』 THA BLUE HERB RECORDINGS(2003)
“nanostorm”や“BG072”など先行の12インチ曲を集大成した初のソロ・アルバム。ラップとのタイム感で魅力を発揮するTBH曲とは異なり、豊かなイメージを喚起するビートそのもののオモロさに撃たれる。

8. THA BLUE HERB 『未来は俺等の手の中』 THA BLUE HERB RECORDINGS(2003)
“未来は僕等の手の中”から引いてきた曲名どおり、当初はブルーハーツのトリビュート盤用に作られたという成り立ちのシングル。ミニマルなトラックが静かに吠える。

9. ラッパ我リヤ 『A.I.R. 4TH』 走馬党/ビクター(2003)
彼らのお家芸たる〈ヤバスギルスキル〉シリーズの〈pt.6〉にBOSSが参戦! 郷に入っては郷に従えってことなのか、執拗にライミングを踏みまくるワードレスリングぶりが頼もしい。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年05月31日 12:00

更新: 2007年05月31日 17:21

ソース: 『bounce』 287号(2007/5/25)

文/出嶌 孝次