オーブが歩んできた約20年を不朽の名盤と数々の関連作で簡単におさらい! その1
『The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld』 Island(1991)
ミニー・リパートンをネタ使いした89年のデビュー・シングル“A Huge Evergrowing Pulsating Brain That Rules From The Centre Of The Ultraworld”がいきなり全英1位を飾り、注目の的となった彼らの、初のアルバムにして2枚組の大作! アレックス独特のアンビエント世界もすでに完成されている。
(石井)
『U.F.Orb』 Island(1992)
オーブの作品からどれか1枚選ぶとしたら、やはり本作になるだろう。前作よりもさらに磨きの掛かった美しい音色とグルーヴ感は、文句の付けどころがない完璧な仕上がりになっている。元ゴング~システム7のスティーヴ・ヒレッジもギターとプロデュースで参加した名盤中の名盤。
(石井)
KLF 『Chill Out』 KLF Communications(1990)
元オーブのジミー・コーティがビル・ドラモンドと結成したKLFの超名盤。メディアを小馬鹿にしつつハードコアからアンビエントまで幅広い作風を獲得し、〈チルアウト〉という概念を明確にした本作にはアレックスのアイデアも加味されていた。
(ビグ)
PRIMAL SCREAM 『Screamadelica』 Creation(1991)
アンディ・ウェザーオールが実権を握ったアルバムながら、アレックスが唯一プロデュースしたダビーな名曲“Higher Than The Sun”のみ2ヴァージョン収録。このアルバムにはそれだけチルアウトが必要だったと……説得力があります。
(ビグ)
YMO 『YMO GO HOME』 ソニー
いままた話題の3人が93年に再生ライヴを行った際、前座を務めたのがオーブ。当時アンビエントに傾倒していた細野晴臣の趣味か、『TECHNODON REMIX II』(廃盤!)を丸ごと手掛けるなどしてテクノ首領のお墨付きを頂戴した。翌年には細野曲のリミックスもアリ。
(酔鮫)
『Pomme Fritz』 Island(1994)
ライヴ盤『Live 93』を挿んでの3作目。アレックス自身がオーブの最高傑作に挙げているアルバムで、『U.F.Orb』の成功でひとつの頂点を極めた彼らが、それに飽き足らず大幅にダブの要素を採り入れた意欲的な一枚。完成度は高いものの好き嫌いは分かれるアルバムかも?
(石井)
『Orbus Terrarum』 Island(1995)
アレックス・パターソンのソロ・アルバムと化してしまった4作目。数あるオーブ作品のなかでもっともアンビエント色が強く、完全にリスニング向けの内容だ。全7曲を1曲のように続けて聴かせることでアルバムの世界観を上手く表現している。
(石井)
SYSTEM 7 『Power Of Seven』 Substance(1996)
スティーヴ・ヒレッジによるユニットの名作で、カール・クレイグやユースもコラボ参加。何度目かの邂逅となるアレックスが参加した“Davy Jones' Locker”は、オールド・スクーラー同士ががっぷり四つに組んだ12分近い展開が素晴らしすぎ!
(ビグ)