インタビュー

The Orb

新たなアイデアとかつてのオーブらしさを織り交ぜ、歓迎すべき若さを取り戻したアレックス・パターソン。彼が描くサウンド世界のなかで夢は時間を裏切らない? 


  「僕は〈この3年間何をしていただろうか……〉って過去を考えるんじゃなくて、〈これから先、明日と明後日の2日間に何をしようか〉って未来を考えるタチなんだ。次にやらなきゃいけないことで僕の頭はいっぱいなんだよ」。

 天国と地獄を往き来するようなダビーなアンビエント・ミュージックからミニマル・テクノ、そしてエレクトロ。ドイツの名門ミニマル・レーベルであるコンパクトをはじめ、さまざまなレーベルから多彩なトラックを精力的にリリースし、相変わらず飽くなき探求の旅を続けている孤高の音楽家、アレックス・パターソン。そんな彼が、オーブ名義としては『Okie Dokie It's The Orb On Kompakt Disco』以来、2年ぶりとなるアルバム『The Dream』をリリースする運びとなった。ちなみにその間には、KLF『Chill Out』を手掛けた盟友ジミー・コーティとのユニット=トランジット・キングスのほか、ドム・ベッケンとのDNAというプロジェクトをスタート、さらにニナ・ウォルシュのバンド=ロッドマスターのプロデュースを担当し、オーブとしてもミックスCDをリリースしているわけで、アレックスのワーカホリックっぷりにはつくづく頭の下がる思いだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年10月11日 23:00

ソース: 『bounce』 291号(2007/9/25)

文/佐藤 譲