インタビュー

音盤で辿るアリシア・キーズの10年史 その1

1. MEN IN BLACK 『Soundtrack』 Columbia(1997)
デビューできず不遇のままに終わったコロムビア時代の貴重な1曲“Dah Dee Dah(Sexy Thing)”を収録。彼女独特のソウルフルな歌い崩しが早くも飛び出すあたりに頬も緩む。
(出嶌)

2. VARIOUS ARTISTS 『12 Soulful Nights Of Christmas』 So So Def/Columbia(1998)
96年に登場したクリスマス盤の新装版。ここで追加された“Someday At Christmas”はデスチャやジャギド・エッジとの共演という点で貴重だが、注目は96年の最初期録音“Little Drummer Girl”。最初からセルフ・プロデュースというのも凄いわ。
(出嶌)

3. ALICIA KEYS 『Songs In A Minor』 J(2001)
グラミーを総ナメにした鮮烈なファースト・アルバム。クラシックの素養とヒップホップ的な感性を両立させる類い稀なセンスに加え、新作『As I Am』でいっそう顕著になったシンガー・ソングライター的テイストもすでに感じられる。
(池谷)

4. ANGIE STONE 『Mahogany Soul』 J(2001)
アリシアのクリエイティヴ・パートナーであるケリー“クルーシャル”ブラザーズがリミックスした“Brotha Part II”にイヴと共に参加。ファンキーな楽曲の上でアネゴ肌な2人に囲まれても、堂々とした振る舞いを見せている。
(池谷)

5. VARIOUS ARTISTS 『America : A Tribute To Heroes』 Interscope(2001)
〈9.11〉の犠牲者や殉職者たちを讃えるべく、テロの10日後に行われたチャリティー番組でのライヴを収めた一枚。ダニー・ハサウェイ“Someday We'll All Be Free”を痛切に弾き語るアリシアの気迫に息を呑む。
(出嶌)

6. MARIO 『Mario』 J(2002)
レーベルメイトのデビュー作にて2曲プロデュース。アリシアらしいピアノが印象的なスケール感に溢れる“2 Train”と、クルーシャルと共作した80's的なネタ使いの“Put Me On”を披露している。
(池谷)

7. EVE 『Eve-olution』 Ruff Ryders/Interscope(2002)
本作からの先行カットだった“Gangsta Lovin'”に客演。ラグジュアリーで煌びやかなヒップホップ・トラックに合わせ、ハイトーン・ヴォイスで可憐にフックを歌うのが似合っている。
(池谷)

8. CHRISTINA AGUILERA 『Stripped』 RCA(2002)
奇しくも『As I Am』でアリシアと組むリンダ・ペリーの名曲が並ぶなか、ゴスペリッシュな名バラード“Impossible”をプロデュース。アレサばりの神々しさを放つアギレラの完璧な歌いっぷりも、曲の素晴らしさがあってこそだ。
(出嶌)

9. ALICIA KEYS 『Remixed & Unplugged In A Minor』 J(2002)
当初は『Songs In A Minor』のデラックス版に付いていたボーナスCDを単体でパッケージした好企画盤。バスタ・ライムズやネプチューンズと絡むモダンなリミックスも、後半のアンプラグド・セットも、両方あっての彼女だ。
(出嶌)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年12月13日 21:00

ソース: 『bounce』 293号(2007/11/25)

文/池谷 昌之、出嶌 孝次