インタビュー

BOW WOW & OMARION

魂の双子によるコラボレーション? 自信と自信が火花を散らす最初で最後のビッグ・マッチ? 現在のヤング・アーバン界を背負うふたりのエースが、互いの好敵手と向き合ってアルバムを作り上げたぞ!!

R・ケリーとジェイ・Zみたいに


 「俺たちのことをチビでガキだと思ってる連中もいるかもしれないけど、もう子供じゃないんだぜ。だからそれを証明するために、いままでとはまったく違う思い切ったことをやろうって考えたわけさ。もう恐れるものは何もないっていうか、ウソで固める必要のないアンカットな作品を作ろうと思った。オマリオンはベストなR&Bシンガーだし、マジでベスト・ダンサーでもあるよね。俺だって、これまでやってきてラッパーとしてもずっと成長してると思うし、それはみんなも知ってるはずだよ。だから、俺たちの持っている力を全面的に発揮したアルバムを作ろうっていうわけなんだ」(バウ・ワウ)。

「これまでいっしょにツアーを何度もやってきて、友情はもちろんだけど、お互いに良い意味での競争心は持ってるよ。前の〈スクリーム・ツアー〉でも毎晩共演したけど、互いの力を存分に出し合ったし、それを観客のみんなもエンジョイしてくれたと思うんだ。だからこのアルバムでは、俺たちの110%以上のものを期待してくれていいと思うよ」(オマリオン)。

 2005年の名曲“Let Me Hold You”からおよそ1年半、若きトップ・アーバン・スターふたりの合体作『Face Off』がついに登場した。当時から〈R・ケリーとジェイ・Zの『The Best Of Both Worlds』みたいな作品を作りたい〉と語り、先の〈スクリーム・ツアー〉では“The Best Of Both Worlds”のカヴァーも披露していたバウ・ワウとオマリオンだけに、ファンにとっては待望のアルバムと言えるだろう。

「あのカヴァーをやったのは、あの時点ですでにこういうコンセプトでやろうっていう気持ちがあったことの証だよ。あの曲をやれば当然彼らと比較されるだろうし、いずれそういうことをやってもいいかなって思ってたんだ。でも、ジェイ・ZとR・ケリーが『The Best Of Both Worlds』をやらなかったとしても、俺たちはこのプロジェクトをやったと思うよ。いっしょにやらないほうがおかしいくらいさ。それに、特に彼らのアルバムを真似ようとか競争しようとかじゃなくて、俺たちのヴァージョンはまた違ったヒネリを効かせられたんじゃないかな」(バウ・ワウ)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年01月17日 18:00

ソース: 『bounce』 294号(2007/12/25)

文/佐藤 ともえ