インタビュー

オマリオンがフェイス・オフするまで

 遊び人のバウ・ワウが「性格はファニーだけど、凄く働き者で何事にも全力を尽くすタイプだね。トップに立った現在も常に努力してるから、尊敬に値するよ。自分で規律を作ってそれを守る誠実な奴だ」と絶賛するオマリオン。84年にLAで生まれ、CMタレントを経て、クリス・ストークスの導きでTUG入り。15歳でB2Kにセンターとして途中加入し、すぐにグループきっての人気者に。映画「ユー・ガット・サーヴド」でも主役を演じ……他のメンバー的にはそりゃないよ!ってことで(?)B2Kは解散に至る。2005年のソロ・デビュー以降も順風満帆で、主演映画「Feel The Noise」も全米公開されたばかり! ちなみに愛称はO。オ~。

B2K 『B2K』 T.U.G./Columbia(2002)
前年のデビュー曲“Uh Huh”でジワジワ名前を浸透させ、満を持して発表したファースト・アルバム。いま聴いても良曲しか入っていないが、特にシングル・ヒットした“Gots Ta Be”などスロウの充実ぶりは凄い。この実力派志向もOの歌唱力があってこそだった。


B2K 『Santa Hooked Me Up』 T.U.G./Columbia(2002)
アイドルならではのクリスマス盤だが、TUGの女子チーム=TG4と絡む“Sexy Boy Christmas”など、〈キッズのクリスマス!〉的なイメージで接すると面食らうはず。スタンダードも甘く憂鬱に歌い込むOの歌は傑出している。

B2K 『Pandemonium!』 T.U.G./Columbia(2002)
R・ケリーのプロデュースした“Bump, Bump, Bump”が初の全米No.1を獲得し、その勢いに乗って登場したこの年3枚目のアルバム! 早くも少年性を脱ぎ捨てた印象で、セクシー系の楽曲も増加。なお、ドリーム作の“Everything”もここに収録されている。

YOU GOT SERVED 『Soundtrack』 T.U.G./Columbia(2003)
Oが主演した青春ダンス映画のサントラだが、実質的には8曲を提供したB2Kのラスト作と捉えるべき。ファボラスやリル・キムらラッパーとの絡みにも注目だ。解散後に公開された本編の人気が皮肉にも日本での認知度を上げることに。

OMARION 『O』 T.U.G./Columbia(2005)
全米チャートをあっさり制したソロ・デビュー作。R・ケリーとマイケル・ジャクソンの間を行くような柔和で力強い歌声は、愛称をそのまま曲名にしたバラード“O”から生音メロウ・ファンク“I Wish”までを自由自在に演じ分けている。完成型の魅力を示した傑作。

OMARION 『21』 T.U.G./Columbia(2006)
USでの成人年齢を示す表題どおり、大人っぽさを強調した2作目。エリック・ハドソンによる70年代調ファンク“Entourage”、ティンバランド制作でクラッチが書いた“Ice Box”など、先鋭性と親しみやすさが同居した充実作だ。またしても全米No.1を奪取。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年01月17日 18:00

ソース: 『bounce』 294号(2007/12/25)

文/出嶌 孝次