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インタビュー

『Face Off』に先駆けた『The Best Of Both Worlds』とは?

 古くはマーヴィン・ゲイ&タミー・テレル、近年ではケニー・ラティモア&シャンテ・ムーアなど、ソウル~R&Bの世界でデュエット・アルバムの類は昔から多かったが、楽曲単位でのコラボがアルバムのヴァラエティーを形成する重要な要素となった昨今、別の企画ユニットを組むのではなく、あくまでも個と個の組み合わせを重視したタッグ・アルバムというのはめっきり少なくなっている。また、それ以上に気軽なコラボが繰り広げられているヒップホップ界では、アリ&ギップのような好例こそあれ、驚きに満ちたタッグ作品というのはそうあるものではない。

 で、ジェイ・ZとR・ケリーのタッグが凄かったのは、『The Best Of Both Worlds』の表題どおりに両フィールドのトップ同士が組み、しかも高水準のアルバムを丸ごと2枚も作り上げたことだ。この手のタッグというのは、ある程度の整合性と同時にいくばくかの違和感があってこそ組む価値があろうもので、そういう点からもMCとシンガーが組むおもしろみは見い出しやすく、バウ・ワウ&オマリオン組もそこが狙いなのだろう。なお、ジェイ・Zと喧嘩別れしたケリーはバードマン(ベイビー)とタッグ盤を作る話もあったが実現には至らず、現在はアッシャーと何かしているという噂もある。そのバードマンは〈息子〉ことリル・ウェインとの作品を発表済みで、ウェインはジュエルズ・サンタナとのタッグ盤を制作中だ。一方のジェイ・Zにはリンキン・パークとのコラボ企画もあったが……噂されているのはビヨンセとのタッグ! 結婚の同時発表説もあり、実現すればいろんな意味で〈The Best Of Both Worlds〉な作品となりそうだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年01月17日 18:00

ソース: 『bounce』 294号(2007/12/25)

文/狛犬