Perfumeサウンドの変遷をパパパッと紹介!
中田ヤスタカによるPerfumeサウンドの変遷からは、テクノ・ポップ世代とポスト・クラブ世代双方から見た〈テクノ+アイドル〉像が浮かび上がる。インディー時代はいわゆる〈ニュー・ミュージック的なテクノ〉にポスト渋谷系の香りが注がれていたが、それは初期capsuleのサウンドをチップ・チューン化したような8ビート曲、2003年の“スウィートドーナッツ”(1)で開始。
王道アイドル・ソング的な2004年3月の“モノクロームエフェクト”(2)ではイントロにYMO“BEHIND THE MASK”的な隠し味を忍ばせ、9月の“ビタミンドロップ”(3)ではフレンチ調ボッサ+テクノ・ポップという〈オヤジ殺し〉サウンドに。
ユニゾンで歌っていた3人がダバダバとハモり出した同曲は、シンセサイザーがモノからポリへと移行するくらいの転機かも。
そしてメジャー・デビュー後は、90年代フレンチの象徴であるダフト・パンクの楽曲を下敷きにした3部作がスタート。まず2005年9月の“リニアモーターガール”(4)ではオートチューンのロボ声によって〈第4の声〉が顕在化し、
続く2006年1月の“コンピューターシティ”(5)はクールなエレクトロ・ハウス調、
6月の“エレクトロ・ワールド”(6)はDJがくるり“ワンダーフォーゲル”と繋いでも異議なし!なロッキン・ダンス曲で一気にモダン化を図ることとなった。
2007年に入ってからは、2月の限定盤『Fan Service[sweet]』(7)所収の“チョコレイト・ディスコ”にてハウスのシャッフル感を導入し、
9月の“ポリリズム”(8)で中田流エレクトロ・ハウスとPerfumeが完全に融合。アンダーワールド“Two Month Off”のリフを肴に、徹底的に加工されたヴォーカルやプログレ・ファンも心躍らせた間奏からは、〈衝撃がポップスを更新する〉と言い切る中田の志が感じられる。結果この変遷が、誰しもの心を掴む〈Perfume像〉を形成したのかもしれない。
1~3はBEE-HIVE、4~8は徳間ジャパンからのリリース。7は限定リリースのため入手困難。長らく廃盤だった1~3は↓の『Fan Service~Prima Box~』にすべて収録!
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2008年02月07日 21:00
更新: 2008年02月07日 21:28
ソース: 『bounce』 295号(2008/1/25)
文/リョウ 原田