インタビュー

音楽性の幅広さを裏付ける、ジャンルレスな交友録を拝見しよう!

 マーズ・ヴォルタと交流の深いアーティストでまず思い浮かぶのは、オマー本人も「ツアーこそいっしょに回らないが、バンドのメンバーとみなしてるよ」とまで語るレッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシャンテだろう。マーズ・ヴォルタの全作品をはじめ、オマーのソロにも参加している彼は、バンドにとって切磋琢磨し合う仲なのである(ちなみに、レッチリの近作でギター・ソロが増えたのはオマーの影響だとか)。ゲスト参加に目を移すと、セドリックが駆けつけたアルバムにはアンダーグラウンド・ヒップホップのサヴィアス・ベック『Decomposition』や、〈プログレ・メタル〉とも呼ばれているマストドン『Blood Mountain』などが挙げられる。また2人揃っての参加作だと、ハンサム・ボーイ・モデリング・スクール『White People』とエル・P『I'll Sleep When You're Dead』があり、こちらは共にヒップホップ・アーティストによるもの。意外に思われるかもしれないが、マーズ・ヴォルタはヒップホップ・アクトとの縁も深く、昨年末に行われたバンドのカウントダウン・イヴェントにも、ピーナッツ・バター・ウルフとノーバディを呼んでいるほど。交流という点では、エターナルズのようなアフロ・パンク・バンドをはじめ、オマーがコラボしたダモ鈴木やリディア・ランチの名も忘れてはならない。それだけでなく、パンク、プログレ、サイケなどといった彼らの作風同様、さまざまなタイプのアーティストと交流を持っているのである。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年02月14日 19:00

ソース: 『bounce』 295号(2008/1/25)

文/池田 義昭